2010 Fiscal Year Annual Research Report
象牙芽細胞分化における細胞間結合の役割解明とその制御法の開発
Project/Area Number |
22689053
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩本 勉 東北大学, 病院, 助教 (90346916)
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Keywords | 象牙芽細胞 / 細胞間結合 / パネキシン |
Research Abstract |
我々は歯の形成過程、とくに歯髄幹細胞-前象牙芽細胞-象牙芽細胞への分化過程において、その分化スイッチに関わる分子群の同定を目的とし、バイオインフォマティカル解析手法を用いている。そこで、新奇細胞-細胞間結合蛋白質であるパネキシン3が前象牙細胞に強く発現していることを明らかにしてきた。 歯において、その発現細胞を同定するためにin situ hybridization法を行い、パネキシン3 mRNAが、前象牙細胞に強く発現することを確認した。このたびパネキシン3の特異的抗体を用いて免疫組織学的検討を行ったところ、パネキシン3は前象牙芽細胞において、細胞-細胞間のみならず、細胞-細胞外基質問に陽性反応を観察することができた。このことは細胞-細胞間において、ギャップジャンクション蛋白としての機能を有し、さらには、細胞-細胞外基質問において、ヘミチャネルとしての役割を有していることを示唆するものであった。 そこで、前象牙芽細胞におけるパネキシン3の機能を明らかにするために、歯乳頭由来細胞株mDP細胞を用いることとした。mDP細胞は、成長因子であるBMP2の存在下において、象牙芽細胞へと分化する細胞であり、本細胞におけるパネキシン3の発現を解析したところ、もともとパネキシン3はわずかに発現しており、その発現がBMP2の存在下において、増強されることがわかった。そこで、過剰発現用ベクターを用いて、バネキシン3発現安定細胞株の作成を行った。また、内因性パネキシン3をノックダウンするために、効果的なsiRNAの配列のスクリーニングを行った。 今後、このパネキシン3発現安定細胞株およびsiRNAを用いて機能解析を進めていく予定である。
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