2011 Fiscal Year Annual Research Report
撮像素子の個体特徴に基づく動画像改ざん検出法の開発
Project/Area Number |
22700116
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
黒沢 健至 科学警察研究所, 法科学第二部, 室長 (80356170)
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Keywords | 法科学 / 画像解析 / 改ざん検出 / 撮像素子 |
Research Abstract |
動画像における画像改ざんの新検出法の開発を本研究の目的とする。本研究では、半導体撮像素子の電気特性のばらつきに起因する個体特徴を利用して、改ざんの有無並びに改ざんの時空間位置の特定を行う。 昨年度は撮影カメラが既知の場合について、動画像から抽出される素子の個体特徴パターンの時空間変動を調べることで改ざんの有無を判定できるか基礎実験を行った。 本年度は、まずは既存の研究を整理し直し、改ざん手法と検出手法の両方について分類を行った。その結果、本研究で提案する手法について、時間軸上の改ざんとコンテンツ改ざんの両方に適用可能であることが明らかとなったほか、適用範囲の限界についても明らかとした。次に、撮影カメラが未知の場合の検出手法に関して検討を開始した。現在使用しているノイズ抽出フィルタでは改ざん検出に多数のフレームが参照データとして必要となり、実用化を目指した場合に改善が必要であることが分かったことから、次年度はフィルタの最適化を行うこととした。本年度はさらに、動画圧縮の影響についての基礎実験も行った。その結果、フレーム内圧縮のみを行う圧縮法よりもフレーム間圧縮を行うコーデックにおいて、検出性能への影響が大きいことが分かった。また、超解像処理の影響についても実験的検討を行い、改ざん検出への影響を明らかにした。 画像や映像が犯罪捜査に正しく活用され、その証拠能力や証明力を維持するためには、画像合成などの改ざんが行われたりCGによる画像生成が行われていた場合に、これを検知できる技術が不可欠であると考えられる。このことを実現する1手法として、本研究結果は重要な意義を持つと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に記載した事項について、おおむね実行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
撮影カメラが未知の場合の検出手法に関して、まずはノイズ抽出フィルタの最適化を行う。さらに、判別に必要なフレーム数について検討を行い、撮影カメラが未知の場合の検出手法を開発する。
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Research Products
(1 results)