2011 Fiscal Year Annual Research Report
ホログラフィックメモリを用いた位相限定法に基づく高速画像照合処理法の開発
Project/Area Number |
22700168
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
本間 聡 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (70362085)
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Keywords | 顔認証システム / 光学的相関器 / ホログラフィックメモリ / ステレオビジョン / バイオメトリックス / パターンマッチング / スペックル多重記録 / 位相コード暗号 |
Research Abstract |
装置への体の接触や特別な動作を必要とせず,心理的な緊張を感じることなく対象者の照合を行うことができる認証システムの開発が望まれている.高い照合処理速度を有するホログラフィック光学相関器を中核とした顔認証システムの開発を目指して研究を行った.一般的に二次元画像の相関器を用いた顔認証システムは,カメラに対する顔の角度が変化した場合に識別能力が著しく低下するという問題を有する.それに対して本システムではステレオビジョンにより顔の三次元形状を取得し,カメラに対して正面を向いた顔画像をコンピュータグラフィック(CG)により再現することによりこの問題を解決した.ただし,光相関器による照合処理に対して,電子処理で行われる顔画像のCG作成には多くの時間がかかり,これが本システムの処理速度を決めるボトルネックとなっていた. そこで電子処理部の更なる高速化を実現するため,GPUによる画像処理システムを構築した.その結果,従来のシステムでは1枚のCGを作成するために1sec.弱の時間を要していたのに対して,約25msec.の時間で生成することを可能とした.従来のシステムではCG作成に時間がかかっていたため,1枚のCGのみを使用してデータベースに登録されている画像群との照合を行っていた.しかし,瞬きなどの一時的な表情の変化により,データベースの画像と特徴が一致せず認証精度が低下する原因となっていた.今回のシステムの開発により,従来のボトルネックを解消するだけではなく,短時間に生成された複数のCGを照合器に入力することにより飛躍的に誤認率を低下させることに成功した.5枚程度の入力画像を使用することにより,40人程度の被験者に対して誤認率が0%となるという解析結果を得ている.
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