2010 Fiscal Year Annual Research Report
マンガデザイン活動の初期段階の支援に関する研究:デザイナ行動観察よるアプローチ
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22700210
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
市野 順子 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教 (50452040)
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Keywords | ユーザインタフェース / 感性情報学 / 行動学 |
Research Abstract |
本研究の目的はマンガ制作の初期段階におけるデザイン活動の支援である。既存システムの多くは、下絵以降の工程を中心に支援しており、初期段階のデザイン活動に焦点を合わせた支援はなされていない。また、既存システムの多くはデザインを綺麗に整形することに優れているが、デザイナが感性や創造性を発揮すべき場で、1ドットのズレを直すといった微細な修正作業に陥る問題が指摘されている。 初年度である本年度は、これまでに行った予備観察実験の結果を踏まえ、プロのマンガデザイナを対象とした定量的な観察実験を実施し、マンガデザイナの行動特性を解明した。 具体的には、マンガ制作の初期段階のデザイン活動をより客観的に観察するため、複数人のプロのマンガデザイナを被験者とした観察実験を実施した。これまでに行った予備観察実験から得られた知見を踏まえ、撮影方法や実験条件を見直し、実験の設計を行う。被験者デザイナのデザイン活動の様子を記録した。 また、記録したデザイナ行動をより客観的・定量的に分析するために、心理学の観察手法の一種である「時間見本法」を用いた。時間見本法は、行動を任意の時間間隔で区切り、その各々における特定の行動の生起を記録する方法である。様々な行動の生起時間単位数をもとに、その生起頻度や持続時間等の量的測度を得ることが可能となる。予備実験を観察対象とする行動を抽出し、チェックリストを作成した。 得られたデータを用いて分析を行い、マンガ制作の初期段階におけるデザイナの行動特性をまとめ、次年度に開発するマンガデザイナ支援システムの設計の基礎とする。
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Research Products
(2 results)