2011 Fiscal Year Annual Research Report
数値解析による寝具硬さの嗜好度と寝具の寝心地の推定
Project/Area Number |
22700213
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
吉田 宏昭 信州大学, 繊維学部, 准教授 (40456497)
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Keywords | 数値解析 / 感性計測 / 有限要素法 / 寝心地 / ベッドマットレス / 寝具 / シミュレーション / 快適性 |
Research Abstract |
寝具に関する研究では身体に負担の少ない寝具硬さの解明が主要なテーマとなっているが、人間の体型や寝具の嗜好度には多様性があるため、身体に負担の少ない寝具硬さに関しては様々な見解がある。これらの課題を検討するために、これまで官能検査や生理計測が利用されてきた。ところで、寝具に寝た際に人間は生体内に生ずる変形やそれに伴う応力を受容器を通して感覚として取得しているので、寝具に寝た際の生体内変形とそれに伴う生体内応力を知ることができれば非常に有益である。そこで本研究では、生体内の変形状態を推定可能な数値解析を用いた。また、人間の体型には個人差があり、生体内に発生する変形も個人によって異なることが予想されるので、被験者の体型を再現した人体数値モデルを構築した。よって本研究では、被験者の体型を再現した人体数値モデルを用いて数値解析を行い、その解析結果とアンケートを用いた官能検査の結果とを比較することによって、数値解析を用いて寝具の寝心地に関して検討を行った。官能検査の結果において、被験者の人体寸法値を用いて被験者の寝具の嗜好度を分類したところ、寝具の嗜好度を体型によって分類することができ、被験者の体型と寝具の嗜好度にある程度の関係があることが分かった。よって、身体に負担の少ない快適な寝具硬さは体型によって異なると考えられる。被験者の体型を再現した人体数値モデルを用いて数値解析を行ったところ、被験者の寝具の嗜好度に関する官能検査の結果と頚部周辺の応力値と沈み込み変位量をパラメーターとした数値解析結果に対応関係がみられた。よって、数値解析によって被験者の寝具の嗜好度を推定できることが示唆された。数値解析は寝具の寝心地を検討する上で重要なツールであると考えられる。
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