2010 Fiscal Year Annual Research Report
レトリカルデータベースシステムの構築による計量的修辞分析手法の確立
Project/Area Number |
22700256
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村井 源 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教 (70452018)
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Keywords | 修辞構造 / レトリカルデータベース / 聖書 / 物語構造 / 翻訳 |
Research Abstract |
[1]ソフトウェア開発 レトリカルデータベースシステムを開発するうえで、研究代表者らがすでに開発したWeb上で動作するサーバクライアントモデルのテキスト分析ソフトウェアやクライアントモデルのテキスト分析ソフトウェア(Digital Hermeneutics System)を土台とした.これらの二つのソフトウェアは何れもリレーショナルデータベースを用いた構造であるが,今年度は新規に開発するレトリカルデータベースと,すでに構築した古典テキストのデータベースシステムが連動するところまでのシステムを構築を主に行った.また,これに合わせてレトリカルデータベースの簡単な閲覧画面を付加した. [2]レトリカルデータの蓄積と分析 テキストの修辞的構造の内で,古典的な修辞構造(新約・旧約聖書)のデータ化を進め,日本語版のデータに合わせて英語版の作成を進めた.に合わせてより大きい単位である物語構造もプロップの物語理論に基づいた分析を星新一のショートショートの全集に対して行いデータ化した.またデータ化された物語構造に対して計量的な分析を施して物語パターン特徴を抽出した. [3]古典的修辞構造の対応関係の分析に向けて 古典的な修辞構造の小物語区分間の対応関係を分析するため,複数の翻訳間や一テキスト内の語彙の対応関係の揺らぎを計量的に抽出することによって翻訳と原語間での語彙のネットワークを構築した.構築した語彙ネットワークは類似の語義の単語をまとめたり,単語が示す概念の関係性を計量的に図る指標として用いることが可能であり,小物語区分間の類似性を判定する一つの基盤として利用可能と考えられる.
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Research Products
(6 results)