2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700262
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
上地 宏一 大東文化大学, 外国語学部, 講師 (20468721)
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Keywords | 漢字情報処理 / 異体字 / フォント / フリーソフトウェア / 文字データベース |
Research Abstract |
本研究は、日本・中国をはじめとする東アジア圏の現代・古典資料などの文字情報に使用された、異体字・国字などのあらゆる漢字字形を登録可能な文字データベースを、インターネット上に構築・運用するものである。平成22年度の研究成果は次の3点に集約される。 (1)登録データの活用環境の実証 データベースに登録した漢字字形をWebドキュメントから動的に呼び出し、表示するための機能を構築した。具体的にはCSSの標準化において新たに採用されたWebフォント機構を利用する。Web公開者は任意の符号位置に任意の漢字字形を割り当てたドキュメントを作成・公開できる。また、すでに公開しているドキュメントに含まれるゲタ(=)情報を、対応付けされた漢字字形に置き換える外字フィルター機能を構築した。これらの機能を活用することで、様々な漢字・異体字を含むWebドキュメントを容易に公開できる。 (2)登録データを利用したデザイン支援機構の構築 データベースに登録されたデータのデザイン情報を分析し、新たな漢字字形を計算によってデザイン支援する機構の研究について、そのインターフェースとなる漢字字形データの取得機構の整備と、内部データを実際の漢字字形に展開するためのプログラムの整備を行った。これらはすべてオープンデータ・オープンソースとして公開した。 (3)日本国内外の漢字字形資料の効率的な収集・登録 ISO/IEC 10646規格のCJK拡張漢字B集合(42,711漢字)を重点対象としてデータ登録作業を行った。開始時に未収録分が約22,000字であったものを、残り約3,000字まで進めることができた。 あらゆる漢字字形データを蓄積・提供することは、東洋学研究者にとどまらず、日本語・漢字学習におけるデジタル教材作成や、人名・地名表記における異体字処理において恩恵を与えるものであり、ひいては日本学・漢字文化の発展に寄与するものである。
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Research Products
(2 results)