2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路の再編成に関与する新規神経ペプチドの機能解析
Project/Area Number |
22700336
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 武 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40391867)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 再生 / 神経活動依存的 / 神経ペプチド / 脳最小ユニット |
Research Abstract |
神経回路網は、環境からの情報を処理するために形成されるが、形成初期段階は、主に遺伝的支配によるものである。しかし、発生過程で一旦回路が形成された後に、神経回路は、より効率の良い情報伝達を行うために、細かな単位で再編成が起きる。この神経回路の再編成は、内外の環境からの情報により活動依存的に行われると考えられている。しかし、神経回路の再編成過程で、最終的に残る神経回路と脱落する神経回路が、どのような分子メカニズムで選抜されるのかは未知の部分が多かった。 本研究では平成24年度までに、プラナリアの視神経および脳の形成過程をモデルとした研究によって、回路形成後に発現する2種の新規の神経ペプチド前駆体(Neuronal activity-induced neuropeptide 1,2; NAINP1,NAINP2)を同定し、NAINP1、NAINP2は、視神経の投射先の神経細胞で発現していることを明らかにしてきた。さらに、機能解析の結果から、視神経から光シグナルが入ることで、脳内で活動依存的に機能的な神経回路の再編成が起きていて、NAINP1およびNAINP2が、この神経回路の再編成に関与していること、この再編成にはNMDA型受容体依存的なシグナルが両遺伝子の発現に重要な働きをしていることを明らかにしてきた。 平成25年度においては、薬剤によりNAINP1,NAINP2の発現を誘導されたプラナリアは走行性の行動が活性化されること、さらに、暗所で光刺激が入らずNAINP1,NAINP2の発現が低下したプラナリアでは走光性行動が抑制されている子を明らかにし、NAINP1,NAINP2-神経細胞-行動の一連を明らかにできた。現在、この研究を総括して論文を執筆し、国際誌に投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)