2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳深部刺激法を用いたサル一次視覚野におけるニューロモジュレータ間相互作用の研究
Project/Area Number |
22700339
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内藤 智之 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90403188)
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Keywords | 脳深部刺激 / ニューロモジュレータ / 受容野構造 / 逆相関法 / 非線形性 |
Research Abstract |
本研究では、サルの一次視覚野(V1)の視覚刺激に対する反応のチューニング及びその可塑的変化を観察しながら、ニューロモジュレータシステム(アセチルコリン、ノルアドレナリン、セロトニン)の起始部に対しV1の視覚応答をトリガーとしたDeep Brain Stimulation(DBS)を行った。 これにより脳全体の活動性を広汎に支配するニューロモジュレータが、いかなる相互作用をもってその機能を発現しているのかを明らかにし、また将来的にニューロモジュレータシステムのDBSを臨床適用し、全般的に機能低下した脳の賦活治療を行うための定量的基礎データを提供することを目的とする。 ニューロモジュレータによるV1受容野構造の修飾効果を定量的に評価するため、V1ニューロンの受容野時空間構造を詳細に再構築する刺激提示システムとデータ解析システムの構築を行った。作成した実験システムにおいて、逆相関法とホワイトノイズ刺激を用いて受容野時空間構造の再構築を行い脳深部刺激による修飾効果の時間的、空間的影響を定量評価が可能であるかどうかを検討した。この結果、ニューロモジュレータによる修飾効果は、非線形応答曲線として定量的に記述することが可能である可能性が示唆される結果が得られた。非線形応答を定量評価する受容野モデルによる解析の結果、ニューロモジュレータによる抑制性、興奮性修飾効果の程度とその時間ダイナミクスを高い精度で予想可能な受容野改正法をした。ニューロモジュレータの修飾効果は、V1の層によって異なり抑制性および興奮性の修飾効果が観察された。今後ニューロモジュレータによる受容野構造の変化を定量的に評価し、視覚情報処理におけるニューロモジュレータの役割を検討することを予定している。
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