2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700445
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
神代 真里 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (40462791)
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Keywords | 模倣 / 共同注意 / サル / 硬膜多点電極 / 脳・神経 |
Research Abstract |
自分が食べ物をつまむ時だけでなく、他者が食べ物をつまむのを観察する時にも活動する「ミラーニューロン」がサルの腹側運動前野で発見されて以来、ミラーニューロンからなるミラーニューロンシステムが、行為の理解と模倣の神経基盤の有力候補であるとされているが、現在に至るまでそれが模倣の神経基盤であるという直接的な証拠は得られていない。本研究では、申請者が独自に開発した「共同注意」を経てサルの模倣を引き出す方法でサルの模倣を実現し、共同注意とそれに引き続いて成立する模倣の神経基盤の解明を目指す。本研究では、神経基盤を探る一つの方法として最近注目されつつあるがまだ取り入れている研究者が少ない、硬膜多点電極を用いた脳波計測、という手法を用いる。前準備として、片側半球を広く覆う多点電極を用いて記録したものの、初めはより正確な模倣の脳波を同定することが重要であると考え、当該年度は模倣との関連が示唆されるμ波に焦点を絞ることとした。そのため、シート式多点電極を以前の脳の半球を広く覆うものを改善して、μ波を正確にとらえるべく大変小さな多点電極を開発した。また、どの脳部位にシートが置かれているかを確かめるためのシート式多点電極による脳部位刺激セットも開発した。さらに、脳波計測と脳部位刺激のための機械のセットアップ、実験室のセットアップ、及び、サルのケージへの慣らし等も慎重に行なった。これらの実績は、次年度の円滑な研究遂行に必須である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時に研究を遂行する予定だった研究室が遠方に移転したため、研究開始がやや遅れたが、新しい研究室が決まってからは、硬膜多点電極の開発も行い、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
サルに、アイコンタクト、指さしを段階的に出来るようにして共同注意を確立し、最後に模倣のトレーニングを行う。2種類の模倣が出来るようになったら、硬膜多点電極をサルの運動野に置き、共同注意と模倣時の皮質脳波を計測する。最後に、解析を通じ以下の3つの設問に解答する。1.μ波がサルで記録されるのか。 2.模倣中の脳内ネットワークは? 3.共同注意の脳内活動は? 以上の計画順序で、共同注意と模倣で応答する皮質脳波パターンを同定する。
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