2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン修飾因子変異マウスが不妊症を呈するメカニズムの解析
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22700451
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
成瀬 智恵 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教 (30372486)
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Keywords | 発生・分化 / 生殖細胞 / 始原生殖細胞 / ヒストン修飾 / 遺伝子改変動物 |
Research Abstract |
(1)HP1γ変異マウスの解析 HP1γはメチル化ヒストン(H3K9me)に結合するエピジェネティック制御因子の一つである。今年度の研究により、HP1γ変異PGCの数が減少しているのは細胞周期の遅延によること、PGC周辺組織ではなくPGCそのものでのHP1γの変異が原因であること、さらにHP1γ変異PGCを培養するとEG細胞を形成することからPGCの性質は変化していないことを明らかにし論文にまとめた(Abe et al., Biology of Reproduction 2011)。また、減数分裂のパキテン期に染色体の対合異常により成熟精子および成熟卵子が形成できないことを明らかにした(Takada and Naruse et al., Development 2011)。 (2)ヒストン脱メチル化酵素の欠損マウスの作製 2つのヒストン脱メチル化酵素遺伝子について解析を進めた。一方は単純ノックアウトでは出生直後致死であり、、遺伝子発現パターンを解析した結果、骨格形成、形態形成に必須な遺伝子群の制御に異常があることを明らかにした。発現量に変化の見られた遺伝子領域のヒストン修飾を調べた結果、遺伝子発現を負に制御するヒストン修飾がノックアウト胚では残存しており、脱メチル化が効率よく行われていないことがわかった。また、それらの遺伝子の上流因子も調べたが野生型とノックアウト胚で違いが認められなかったので、この脱メチル化酵素が直接発現量に変化の見られた遺伝子の発現を制御していることが示唆された。
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