2011 Fiscal Year Annual Research Report
残存能力に適した自立移乗支援装置の選定と新しい自立起立支援ロボットの開発
Project/Area Number |
22700583
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松下 詩穂 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (40547072)
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Keywords | 健康・福祉工学 / 生活支援技術 / 移乗 / 残存能力 |
Research Abstract |
1.移乗の基本動作である起立動作時の身体負担を検討するため,(1)自立起立(2)手すり使用起立(3)昇降座いす使用起立について,健常男性4名による足関節と膝関節の必要残存能力の違いを実験した.結果より,使用者の体重と起立動作時膝関節最大モーメントに相関関係が見られ,選定に汎用性をもたせることができた.また,足関節の残存能力の低い使用者には手すりが有効で,膝関節の残存能力の低い使用者には昇降座いす等で座面を高くすることが有効であることが示唆され,残存能力に適した移乗支援装置選定の実現性が明確となった. 2.残存能力を表わす身体負担パラメータとして,足部と臀部の耐荷重と重心動揺幅,手部の耐荷重を設定していたが,1.の実験結果より,さらに足部と膝部の関節可動角が必要であることがわかり,選定フローを改良した. 3.残存能力を表わす2.の身体負担パラメータを計測可能な装置を開発した.さらに,一般人を被験者とした実験をする際の利便性や,将来的な普及性を考慮し,簡易測定用システムの部品等を購入した.今後システムの再構築を行う. 4.固定手すりでは起立の際転倒の危険性が高い要介護者に対し,内蔵した肘と下腿角度センサを用いて使用者の重心位置をリアルタイムに検知し,安全かつ安定した起立動作誘導を可能とするロボットを開発した.このロボットを使用することにより,膝関節の負担を減らすことで安全に使用者の残存能力に適した起立誘導が可能となった. 5.一般の利用者が支援装置を実際使用しながらフィッティングができることを目指した拠点「人とロボットのコミュニケーションスクエア:COSMAR」のWebページ(http://www.rt-gcoe.waseda.ac.jp/cosmar/index.html)を公開し,一般利用者との更なるコミュニケーションと,早稲田人支援ロボット研究の世間一般への情報発信を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
移乗支援装置選定フロー確立にあたり,当初の計画ではわからなかった残存能力を表わす身体負担パラメータや,実験による確認が必要な被験者の身体的特徴が発覚し,それを考慮した実験に時間がかかっているため.
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Strategy for Future Research Activity |
起立動作以外の移乗動作について選定のための残存能力確認実験やその他の実験においてN増しが必要となるため,現在被験者募集のためのフィールドを模索中である.また,起立以外の移乗動作時身体負担計測のためのシステム構築が必要であることが発覚したため,装置試作を共同で行う企業と連絡をとっている.
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Research Products
(3 results)