2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700595
|
Research Institution | Matsusho Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
川島 均 松本大学松商短期大学部, 商学科, 准教授 (10392416)
|
Keywords | 運動 / 海馬 / 神経新生 / microRNA |
Research Abstract |
10年ほど前から、運動習慣が大脳辺縁系の海馬領域において神経新生を誘発することが耳目を集めているが、その機序は未だ不明である。海馬は記憶や認知機能に関係することで知られている。近年、神経の分化や新生において20塩基ほどの短いマイクロRNA(miRNA)の関与が注目されており、運動誘発生の海馬神経新生にもその関与が推測される。しかしながら、現在のところ運動が海馬miRNA発現に及ぼす効果についての報告は全くない。そこで本研究では、運動が海馬miRNA発現に及ぼす効果について調べることを目的とした。 6週齢の雄性C57BL/6マウス12匹を用い、飼育ケージに回転車輪を設置して12日間の自発性走運動を行うグループと、飼育ケージに何も入れず12日間過ごすグループに分けた。全ての実験動物には飼育中に5-プロモデオキシウリジン(BrdU)を投与し、後の脳組織免疫組織化学法により海馬神経新生のマーカーとした。13日目、実験動物の脳が摘出され、一方の半球は海馬神経新生確認用とされた。他方の半球の海馬からはRNAが抽出され、miRNAマイクロアレイ法により特異的な変化を示すmiRNAを検出し、その後それらについて定量的RT・PCR法を実施した。 10日あまりの運動習慣によりマイクロアレイ法による測定で比較的大きな発現量変化を示した海馬miRNAは十数種類であった。しかしながら、その後の定量的RTPCR法による測定ではほとんどのmiRNA発現が運動により10%以内の変化しか示さず、その他2種類のmiRNAも20%以内の変化であった。これらの変化が海馬神経新生におよぼす効果はまだ不明であるが、もう少し運動習慣の早い時期での検討も必要かもしれない。
|