2011 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ組織の社会的責任の分類:ステイクホルダーの視点から
Project/Area Number |
22700632
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
大西 孝之 静岡産業大学, 経営学部, 講師 (90549362)
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Keywords | スポーツ経営学 / スポーツ組織 / プロスポーツチーム / ステイクホルダー / 社会的責任 |
Research Abstract |
本研究の目的は、スポーツ組織独自の社会的責任の全体像を把握するために,Carroll(1991)のCSRの分類を基に,ステイクホルダーの視点からスポーツ組織の社会的責任の分類を行うことである.具体的には,スポーツ組織のステイクホルダーを整理・分類し,それらのステイクホルダーからスポーツ組織に求める社会的責任について定性的,定量的にアプローチし、収集したデータに基づきスポーツ組織独自のCSRの分類を行う.この目的を達成するために2011年度は、スポーツ組織の中でもプロスポーツチームに焦点を当て、2つの調査を行った。 まず、プロスポーツチームのステイクホルダーを整理・分類するために、我が国のプロスポーツチームの経営者を対象に郵送法によるアンケート調査を行った。全国規模のプロスポーツリーグに加盟するプロスポーツチーム(71チーム)に質問紙を送付し、23チームから回答を得た(回収率32.4%)。単純集計により、Mitchell et al.(1997)が提案した「ステイクホルダーの特定と顕在性」に基づきステイクホルダーを分類したところ、プロスポーツチームの「決定的なステイクホルダー」には「選手」「監督」「コーチなどのチームスタッフ」「従業員」「加盟するリーグ機構」「スポンサー」が挙げられた。今後、統計的分析手法を用いて分析を進める。 次に、プロスポーツチームの主要なステイクホルダーの1つである「ファン」を対象に、彼らが応援するプロスポーツチームに「期待すること」と「失望すること」についてインターネット調査を行った。1,442名から自由回答により、「期待すること」についての3,929記述、「失望すること」について3,747の記述が得られた。「期待すること」「失望すること」ともに、「優勝」「連勝」「連敗」など勝敗に関する記述が最も多かった。今後、分析を進め、ファンがプロスポーツチームに求める社会的責任を構造化する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者が所属先を異動したことにより、研究環境が大きく変わった。新しい研究環境に対応するために時間がとられ、得られたデータの分析については当初の予定より遅れているが、その他については順調に進展している。データの分析についてもすぐに後れを取り戻すことが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、データ収集のためインタビュー調査を行うにあたり、円滑にインタビュー対象へアプローチするため、プロスポーツチームに本研究の趣旨に同意してもらい、調査協力を得る。仮に協力が得られなかった場合でも、個別にインタビュー対象にアプローチすることにより対応可能である。
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