2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本人特有の感情不安・身体特性からみる発育期スポーツ教育方法の再考
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22700633
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
谷田部 かなか 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (00387028)
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Keywords | 感情不安 / ストレス / スポーツ心理 / 気分評価 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
あがりという感情状態は、内的および外的環境からの刺激や社会的要因によって生起するものであるが、特にスボーツにおいては練習試合をはじめ、公式大会等の本番で特に起きやすい。 今年度は、普段とあがり状態の実際の変化について、短期的な身体・心理的負荷条件を設定し、生化学的指標と主観的ストレス反応との関連性から検討を行った。対象は通常5時間以上の練習を行う競技特性の9名。実験条件は、心理的要因の異なる通常練習日、集中練習日、公演間近日の3日間に設定した。結果として、主観的ストレス反応と気分評価で相関がみられたものの、実際の生化学的指標とは関連はあまりなかった。普段の主観的ストレスや気分は、短期的なストレスによってすぐに影響されていなかった。通常かなりの運動量を熟すので、練習内容や測定時期による精神負荷や身体的疲労には特異的な傾向が示された。よって対象は日々の精神的・身体的疲労のケアが重要であることが考えられた。今後は状態・特性不安や運動負荷量について検討を加える。 また昨年度に引き続き、あがり条件を統制した環境条件における追加調査を行った。追加対象は同競技特性の19名(男性1名)、状態・特性不安調査、心理・身体的変化について3~6か月間に渡り調査を施行した。現在、普段の練習日、競技本番前の状態・特性不安の変動について、また不安高低群別、心理要因の異なる時期別による気分変動の相違について検討するとともに、精神系遺伝子多型解析を行うために、口内粘膜組織からのゲノムDNAの抽出と定量化を行い、PCRで変異領域を増幅しRFLPでその遺伝子型を決定する段階である。 その他並行して、発育期児童生徒のスポーツ活動、ライフスタイルと気分変動の関連について成果発表を行い、一般青年期において気分評価票(BRUMS)を用いて、同様にスポーツ活動、睡眠時間と気分状態の関連について調査を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生命倫理委員会(ヒトゲノム・遺伝子解析研究部会)の承認を得るまでに半年位時間が掛かり、実験内容も基礎に重点を当てた内容で承認されたため、実験プロトコルも区分けに進める必要があり、実験期間が当初計画より長期間掛かることが予測される。その間のH23年3月に起きた東日本大震災により、当初追加調査で計画していた被験者および実施調査日松演)が1年ずれ込むこととなり実質調査が行えなくなった。そのため、年度内に行える公演日のある被験者対象を探し直し調査を開始したので、当初の実施計画より遅れてスタートしたが、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今まで調査したデータ解析を進めることと並行して、DNA抽出および遺伝子多型解析を時間の許す限り早急に進め、少しでも後れを取り戻しながら一つ一つ正確な結果を出して行く予定である。
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Research Products
(3 results)