Research Abstract |
平成23年度は,スポーツ拠点づくり推進事業によって「聖地」づくりが進められている6大会(駅伝・中学,トランポリン・中学,なぎなた・高校,競歩・中学,ウエイトリフティング・高校,ハンドボール・中学)の大会及び現地視察ができた.4大会が,同事業開始年に承認された平成17年度より開催されている大会で,残りの2大会も翌18年度より承認大会として開催されており,継続年数が長いこともあり,多くの大会が地域の協力を得て行われている様子を知ることができた.また,今回の視察において,ウエイトリフティング協会の関係者とコンタクトが取れ,アンケート調査,インタビュー調査の実行の可能性が高くなった.さらに今年度の大会中,参加高校生に非公式な形ではあるが「聖地」に関するインタビューができ,平成24年度実施予定のアンケート項目,インタビュー項目の選定作業に移ることができ,3月末よりその作業を行っている.トランポリン競技についても,小学生の頃に推進事業によって開催された大会に参加した選手が,現在日本のトップレベル選手に育っており,そのうちの数名に対するインタビュー調査の実施について,関係者へのコンタクトが取れており,実施に向け調整中である.今年度は,大会の視察やパンフレットの入手を通して,開催地域の大会への協力体制,実施者の「聖地」づくりにかける思いなど,研究上重要な情報を取得でき,「聖地」を考える上で選手にとっての「聖地」,大会関係者にとっての「聖地」,競技そのものにとっての「聖地」と多層にわたり「聖地」を捉え分析する必要性がでてきた.学会での報告では,宗教学的な定義による「聖地」とスポーツにおける「聖地」の大きな違いとして「神がいるか,いないか」という指摘を受け,スポーツ空間における「聖地」の定義づけについても再検討を行っているが,現在のところ十分な結果を得ることができておらず平成24年度の課題として残った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
視察を予定していた大会の開催時期が,小・中・高校生の長期休業期間に集中しており,計画予定の大会すべてを視察することができなかった.また,日程調整がうまくいかず,実際の視察が2月3月に集中しており,年度中での計画作業を遂行するためのデータをそろえることが不十分となったためである.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,平成23年度に実施できた視察・調査の資料をもとに,研究成果をまとめ公表していく予定である.また,インタビュー調査・アンケート調査の実施についても関係者とコンタクトが取れており,実施内容,実施時期について調整を図り,得られた結果をまとめ,公表していく.
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