2011 Fiscal Year Annual Research Report
民法改正による夫婦別姓が、子どもに与える影響と効果
Project/Area Number |
22700721
|
Research Institution | Shoin Higashi Women's Junior College |
Principal Investigator |
吉井 美奈子 樟蔭東短期大学, 講師 (60413481)
|
Keywords | 夫婦別姓 / 民法改正 / 子どもと姓(氏) / 子どもとアイデンティティ / 保育 / 離婚・再婚による改姓 / 保育者との関わり / 改姓とアイデンティティ |
Research Abstract |
本研究は、20年以上も議論されてきた「選択的夫婦別姓制度」の導入による民法改正が、実現した場合の別姓を選択した家族への影響を考察するためのものである。特に、「選択的夫婦別姓制度」は夫婦が主体となり希望することが多いため、その夫婦の間に生まれた子どもへの影響(特に、アイデンティティの形成や家族の紐帯についての意識)について、一連の研究によって検証することを目的としている。「選択的夫婦別姓制度の導入」は、長期議論の最中でありながらも、いまだ導入されていない状況があるため、現在増えている親の離婚や再婚による子どもの改姓が子どものアイデンティティ形成にどのように影響するかを並行して検証し、家族と氏のかかわりや子どものアイデンティティ形成への影響を明らかにすることを目的としている。 平成22年度から平成25年度の継続的研究であるが、これまで、子どもと氏の関係を文献等から研究をおこなってきた。本年度は、昨年度後半からの調査に引き続き、小学校未就学児の子どもたちを対象とした文字の選好実験を行い、子ども達への聞き取りを踏まえながら分析、考察を行った。 その結果、文字(本研究では平仮名)の書けない年齢の子ども達であっても、読むことや文字の形などには興味を示し、自分の好きな文字(平仮名)を提示する際には、自分や、自分の関わりのある人の名前を中心に挙げることが明らかとなった。また、平仮名が書ける年齢の子どもになれば、更に自分や自分の親の名前をフルネームで答えたり、自分や好きな友人の名前の文字を選好文字として提示したりすることが多いことが分かった。この結果をふまえ、更に分析が必要ではあるが、名前と文字についての関わりがある程度強いことが明らかになったと言える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って研究が勧められており、現在のところ、ほぼ検証の協力を得ることができて、概ね順調に進展していると言える。しかし、民法改正の動向が読めないことから、今後も順調にいくかどうかは不明。 現在の研究を行いながら、分析と考察をすすめていく。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の民法改正の動きを注視しながら、状況の変化に対応できるようにしていきたい。また、離婚や再婚による子どもと氏についての研究へ徐々に進めていく準備を行う必要がある。協力者を募り、研究が滞らないように注意していきたい。
|
Research Products
(3 results)