2012 Fiscal Year Annual Research Report
民法改正による夫婦別姓が、子どもに与える影響と効果
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22700721
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Research Institution | 樟蔭東短期大学 |
Principal Investigator |
吉井 美奈子 樟蔭東短期大学, その他部局等, 講師 (60413481)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 夫婦別姓 / 民法改正 / 子どもと姓(氏) / 子どもとアイデンティティ / 改姓 |
Research Abstract |
本研究は、さまざまな価値観による賛成、反対が拮抗すると言われている「選択的夫婦別姓制度」の導入による民法改正が、実現した場合の別姓を選択した家族への影響を考察するためのものである。特に、「選択的夫婦別姓制度」は、女性側が主体となり希望することが多いため、その夫婦の間に生まれた子どもへの影響(特に、アイデンティティの形成や家族の紐帯についての議論)について、一連の研究によって検証することを目的としている。 「選択的夫婦別姓制度の導入」は、長期議論の最中でありながらも、いまだ導入されていない状況があるため、現在増えている親の離婚や再婚による子どもの改姓が、子どものアイデンティティ形成にどのように影響するかを並行して検証し、家族と氏のかかわりや、子どものアイデンティティ形成への影響を明らかにすることを目的としている。 平成22年度から25年度の継続的研究ではあるが、これまで、子どもと氏の関係を文献等から研究してきた。昨年度は、一昨年の小学校未就学児の子どもたちを対象とした文字の選好実験結果をもとに、子どもたちへの聞き取りを踏まえながら分析、考察をさらに進めた。さらに、親の離婚等による改姓経験のある子ども(18歳以上の子どもを中心に)らにインタビュー調査を行い、改姓経験の記憶や思いなどを聞いた。このインタビューは来年度も継続して行う予定である。 本研究の当初の目的であった「民法改正」の可能性は、自民党・公明党が政権を担ったことでかなり低いものとなった。特に、自民党はマニフェストで「別姓反対」を掲げており、本研究終了年度である平成25年度中に法案が成立する可能性は極めて低い。よって、方針をある程度転換し、離婚、再婚による子どもらの改姓についての研究にシフトする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿って、研究がすすめられているが、本研究の当初の目的であった「民法改正」の可能性は、自民党・公明党が政権を担ったことでかなり低いものとなった。よって、研究はある程度方向を見極める必要はあるが、これらも予想されていたため、今後も着実に研究を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
達成度でも述べたように、民法改正の可能性が極めて低い状況となったため、方針をある程度転換し、離婚、再婚による子どもらの改姓についての研究にシフトする必要がある。 この件については、当初の目的内でも予想していたため、その想定に従って離婚、再婚による改姓と子どものアイデンティティ形成についての研究を進めていく。離婚や再婚という極めてプライベートな内容を扱うため、協力者を探すことが難しい。できるだけ多くの協力者に調査を依頼できるようにしたい。
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Research Products
(2 results)