2010 Fiscal Year Annual Research Report
衣服の身体に対するゆとりの違いが着る人の「暖かさ」や「涼しさ」に及ぼす影響
Project/Area Number |
22700731
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
大和 義昭 呉工業高等専門学校, 建築学分野, 准教授 (20450140)
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Keywords | 衣服のゆとり / 衣服のデザイン / 着衣熱抵抗 / 温冷感 / 快適感 |
Research Abstract |
clo値は衣服毎に固有の値ではなく,姿勢や衣服の人体に対するゆとりによっても異なる値をとるが,既往研究で蓄積されてきた種々の衣服のclo値は,今日の室内における居住者の姿勢や衣服のゆとりの多様さに比べて著しく少ない.そこで,現在の日本の住宅居住者の実態に即した条件で,衣服のデザイン,特に身体に対するゆとりの違いがclo値に及ぼす影響を定量的に示すことを目的とする研究を行なう. 昨年度は日本の住宅居住者の自宅内での衣服や休息姿勢の実態調査を行った. 9月(夏調査)と3月(冬調査)に広島県呉市の戸建て住宅それぞれおよそ1500世帯を対象にアンケート調査を行った.これまでに夏調査について集計・分析し,以下のような結果を得た. ・夏季に住宅でよく着られている着衣の組み合わせを把握した. ・男女とも着衣枚数が少なく,着衣のバリエーションも限られていたため,年齢による衣服の違いはみられなかった. ・夏の住宅内では椅座位のほか様々な臥位や平座位の姿勢もとられていた. ・全体の平均では平座位の中では男女とも側臥位が最も良くとられていた.しかしながら,低年齢層では両立膝や投げ足などの平座位の割合が高かった. ・休息姿勢を決める際に重視することに対する回答結果の分析から,姿勢選択には体温調節行動としての側面があることが改めて示された. なお,冬調査は年度末に回収したため,現在集計・分析を行っている. 昨年度のアンケートによる実態調査で得られた結果は,本年度に行う実験での条件の裏付けとなるもので,非常に重要である.
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