2010 Fiscal Year Annual Research Report
先端科学教育方法論の確立と指導者養成プログラムの開発
Project/Area Number |
22700783
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
松浦 俊彦 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50431383)
|
Keywords | 科学教育 / ナノバイオ / 走査プローブ顕微鏡 / バイオテクノロジー / 教育学 |
Research Abstract |
本研究では、先端科学教育の実効性ある教育方法論の確立とそれを担う授業実践者の養成プログラムの開発を目的としている。計画初年度である平成22年度は、先端ナノイメージング技術による実物観察をもとに先端材料や生命科学を分子レベルから学ぶ視覚教材コンテンツの開発を中心に行った。特に、観察対象試料の選択およびそれに対応したナノイメージングの効率的な実験条件等の技術的課題の解決を主題として試みた。具体的には、濃度調整による表面分散化と固体基板上への固定化に関する技術的な課題について検討し、ナノイメージング用の試料作製のノウハウを蓄積できた。同様に、ナノイメージングの観察環境(大気中や溶液中)やスキャン速度等の実験技術についても検討し、これまでの測定ノウハウをさらに発展させる、効率的な実験条件を見出しつつある。一方、実物ナノ観察に基づく視覚教材を子どもの主体的学びを引き出す教材に発展させられるかを他国の理科教育の事例と比較しながら検討した。本研究で開発する教材は、新学習指導要領での中学校理科と高校新設科目「科学と人間生活」に共通する学習単元「科学技術の発展」で活用することを想定している。そのため、他国で使用されている理科の教科書を調査し、我が国の理科の教科書と比較した結果、学習内容を視覚的に捉えさせる工夫の重要性を明確にすることができた。この成果は中学生および高校生が先端科学技術に関する興味・関心を高めるようにする教育方法の検討材料となりうる。今後は、生徒を被験者として学習効果のある汎用性の高い教材の完成を目指していく。
|