2011 Fiscal Year Annual Research Report
先端科学教育方法論の確立と指導者養成プログラムの開発
Project/Area Number |
22700783
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
松浦 俊彦 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50431383)
|
Keywords | 科学教育 / ナノバイオ / 走査型プローブ顕微鏡 / バイオテクノロジー / 教育学 / 教師教育 / 国際情報交換 / フィリピン |
Research Abstract |
本研究では、先端科学教育の実効性ある教育方法論の確立とそれを担う授業実践者の養成プログラムの開発を目的としている。計画2年目である平成23年度は、昨年度の研究成果を発展させ、視覚教材コンテンツの拡充を中心に行った。具体的には、先端材料や各種生体分子などの観察対象試料を増やすことで、視覚教材コンテンツの充実を試みた。昨年度と同様、ナノイメージング用の試料作製には、濃度調整による表面分散化と固体基板上への固定化が技術的な課題となるが、これらについてのノウハウを継続的に蓄積できた。また、ナノイメージングの観察環境(大気中や溶液中)やスキャン速度等の実験技術も、これまでの測定ノウハウをさらに発展させる効率的な実験条件を見出しつつある。こうしたナノイメージング実験は先端科学そのものであり、未開拓の材料科学や生命科学を解き明かす可能性も秘めている。実物ナノ観察に基づく視覚教材は、教育現場等で使いやすいファイル形式になるように検討を続けている。さらに、主体的・能動的な学習活動を促す体験型教材化も検討を続けている。一方、実物ナノ観察に基づく視覚教材を子どもの主体的学びを引き出す教材に発展させられるかを海外(フィリピンを中心に)の理科教育の事例と比較しながら検討した。フィリピンと我が国の理科の教科書を比較した結果、学習内容を視覚的に捉えさせる工夫の重要性を明確にすることができた。この成果は中学生および高校生が先端科学技術に関する興味・関心を高めるようにする教育方法の検討材料となりうる。こうした成果を踏まえて、先端科学を体験する教員向けの研修会を開催し、先端科学教育を担う授業実践者の養成プログラムを試行することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究実施計画をおおむね遂行できている。昨年度に続き、計画2年目の今年度も計画通り進捗しており、全体としても、研究目的の達成に向けて、おおむね順調に進犀している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の進捗状況を考えながら、来年度の研究実施計画を設定し、それに従って研究を推進していくという方策を継続して実施していく。
|