2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700790
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
佐藤 奈穂子 和歌山大学, 宇宙教育研究所, 特任助教 (10467699)
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Keywords | 天文教育 / 電波天文 |
Research Abstract |
本研究の目的は、宇宙電波の観測を通して、宇宙や電波を身近なものに感じ、理解を深められるような機会を提供することを目指している。具体的には、みさと天文台の8m電波望遠鏡を素材とした天文教育を行っている。我々が対象とするのは、主として大学生であるが、それ以外の一般の方々を対象としたコンテンツ開発も目指している。 平成22年度の研究実施計画は、観測データの取得とシステムの開発である。みさと8m電波望遠鏡は、波長21cmの中性水素原子輝線の観測可能な望遠鏡であり、天の川に沿ったHI輝線サーベイ観測を行った。引き続き、平成23年度においてフォローアップ観測を行い、全天サーベイデータの取得を目指す。また、観測システムの開発においては、器差ファイルの更新より、ポインティング精度の改良がなされ、±0.6度の位置決定精度を実現している。 大学生教育では、人工衛星からの宇宙通信も行った。これは、平成22年5月に打ち上げられたH-IIロケットへの相乗り超小型衛星UNITEC-1からの信号を、8m望遠鏡にて受信しようという試みである。UNITEC-1は、初めての大学開発の深宇宙衛星である。結果は、打上初日の受信に成功したが、それ以降は受信できず、原因は衛星側のトラブルとみられている。この受信実験では、大学生が地上局運用だけでなく、システムの構築・運用マニュアルの作成なども行った。 また、同じく電波天文教材の開発をテーマとした大学4年生の学部卒業研究の素材として、8m望遠鏡の観測結果の活用を行っている。
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