2010 Fiscal Year Annual Research Report
メディアアート方法論による乳幼児の身体性を考慮したデジタル知育プラットホーム
Project/Area Number |
22700829
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
望月 茂徳 立命館大学, 映像学部, 准教授 (00454504)
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Keywords | 教育工学 / ユーザーインターフェース / メディアアート |
Research Abstract |
乳幼児に潜在する感性情報受容力および運動能力について、近年の発達心理学および脳科学の成果の文献調査を行い、また、乳幼児から小学生までを対象とし、知育・創造性教育を目的とした映像メディア、とりわけインタラクティブな映像メディア開発の先行研究について調査を行った。これらの調査を踏まえ、乳幼児の自発的な身体運動を引き出すと同時に、養育者が乳幼児育児を効果的に行えるようなデジタル知育プラットホーム開発の技術検討を行った。22年度においては、単に早期教育として乳幼児への一方的な刺激を与えることを目的とするのではなく、乳幼児は大人からは見えにくい形で自発的に運動し、自ら外に向かって語りかけているという前提に立ち、周囲の養育者がそのことを楽しみながら実感することで乳幼児との相互作用を深めようとする育児環境整備を促し、その上で、乳幼児の発達を支援する育児環境をより楽しみながら構築するためのデジタル知育ツールの技術的検討を主目的とし、乳幼児が初期段階から獲得可能な身体運動能力(指差し、這い運動、歩行運動)に対するコンピュータ検出をトリガーとして駆動するインタラクティブメディア技術を用いたデジタル玩具の試作を行った。具体的には、各運動発達段階に合わせて、タッチパネル式小型ディスプレイ、赤外線を用いたコンピュータビジョンによる位置・運動検知、加速度センサによる運動検知を備えたデジタル知育玩具の開発を行い、機能・安全面に関する検討項目の整理を行った。本研究で試作・開発した育児ツールの整備は、平成22年の改正育児・介護休業法に基づく新しい育児社会環境下における新しい玩具のあり方の模索としての意義があると考えられ、本試作で検討した技術要素は、子ども成長過程や養育者と子どもの関わり方についての情報化や情報蓄積化を容易にするものであり、ネットワーク型の育児環境整備への発展可能性も十分考えられる。
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