2011 Fiscal Year Annual Research Report
東京都区部における都市化が対流性降雨に与える影響評価に関する研究
Project/Area Number |
22700859
|
Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
白木 洋平 立正大学, 地球環境科学部, 助教 (80508416)
|
Keywords | リモートセンシング / 地理情報システム / 対流性降雨 / 地表面温度 / ヒートアイランド |
Research Abstract |
平成23年度では地表面温度と対流性降雨の発生回数の関係について評価を行うために,関東地方においていくつかの条件を設定し,レーダーアメダス解析雨量を用いた対流性降雨の発生回数の抽出およびNOAA/AVHRRを用いた地表面温度の抽出を行った.その結果,地表面温度と対流性降雨の発生回数の間には明確な関係を見ることができなかったが,対流性降雨の発生回数の分布図を考察すると関東地方の対流性降雨の発生回数は標高に大きく左右されることが示唆された。そのため,解析項目に標高を加えて再度評価を行った.なお,標高の抽出にはASTER全球3次元地形データ(ASTER GDEM)を用いている.その結果,丘陵地および山地を含む関東地方全ての地域では標高が対流性降雨の発生に大きな影響を与えることがわかった. そこで,解析対象地域を地形区分が丘陵地,山地となっている地域,対象外の区分である水域を除いた地域に限定し評価を行ったところ,地表面温度が対流性降雨に影響を与えていると考えられるシグナルの抽出を行うことができた.この結果より,郊外と比べて地表面温度の高い都市域では対流性降雨の発生回数が増加することが推測できるため,解析対象地域を東京都に変更し,対流性降雨の発生回数に影響を与える要因パラメータとして地表面温度の他に詳細な都市構造(建物の密集度,平均高度など)を加えて評価を行った.その結果,地表面温度および詳細な都市構造と対流性降雨の発生回数との間において明確な関係をみることができなかった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対流性降雨の発生回数に影響を与える要因パラメータ(風向/風速,浮遊粒子状物質など)の作成に遅れが出ているため.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は対象期間における風向/風速および浮遊粒子状物質の抽出を行うとともに,総合的な評価を行う.併せて成果のまとめ(論文の執筆,国際・国内学会への報告など)を行っていく予定である.
|
Research Products
(3 results)