2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオチド除去修復過程における修復DNA合成の分子メカニズムの解明
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22710056
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
荻 朋男 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80508317)
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Keywords | DNA修復 / ヌクレオチド除去修復 |
Research Abstract |
ヌクレオチド除去修復(NER)は生物が獲得したDNA修復機構の中でも汎用性が高い修復システムの1つであり、内因性、外因性の多種多様なDNA損傷を修復することができる。本研究では、NERのメカニズム解明を目的とした。 NER欠損性疾患の1つである紫外線高感受性症候群(UVSS)のうち、責任遺伝子未知の検体を対象として次世代シークエンシング解析により、新規NER関連因子探索を行った。その結果、機能未知の遺伝子UVSSA(KIAA1530) が候補遺伝子として得られた。 UVSS患者由来細胞は、NERの中でも転写と共役したNER (TC-NER)が完全に欠損しており、ゲノム全体で働くNER(GG-NER)の活性(UDS活性)は正常であるが、TC-NERの活性(RRS活性)は低下する事が知られている。次世代シークエンシング解析により候補遺伝子として得られたUVSSAは、ウイルス相補性試験やsiRNAによる抑制試験等により、予想通りTC-NERに関与する事が明らかとなった。さらに、機能解析の結果、UVSSAはTFIIH、CSB、RNAポリメラーゼと相互作用するほか、損傷DNA修復時のRNAポリメラーゼのユビキチン化に非常に重要である事が明らかとなった。また、UVSSAがRNAポリメラーゼのユビキチン化に関わる事で、RNAポリメラーゼの損傷DNA修復時の挙動をコントロールし、NER欠損性疾患の病態の違いを引き起こしている可能性が示唆された。 今後は、更に機能解析を進める事で、NERの分子メカニズムを詳細に解明すると共に、NER欠損性疾患の発症/病態の理解につなげ、緩和薬等の開発に役立てたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)