2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規ナノメディスンとしてのフッ素導入人工調製肺サーファクタントの開発と応用展開
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22710106
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
中原 広道 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (00513235)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 肺サーファクタント / 表面張力 / 表面電位 / 蛍光顕微鏡 / ブリュースター角顕微鏡 / 呼吸窮迫症候群 / 未熟児 / DPPC |
Research Abstract |
人工調製型肺サーファクタント(LS)脂質の基本成分はDPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)、PG(ホスファチジルグリセロール)、PA(パルミチン酸)等があります。PAは動物由来型、人工合成型双方のLS調製物の有効な添加剤として頻用されています。現在までにPAは、LS主成分DPPCの機能を助け、LS単分子膜の分子配向・パッキングを高めると考えられてきました。しかしながら、生体条件ではPAのカルボキシル基はほぼイオン型であり、LSタンパク質(カチオン)との間に静電的な相互作用が存在しているはずであると考えられます。本年度は、この特異的な相互作用(静電的相互作用)がモデルペプチドの二次構造の制御にどのように関わっているのか精査しました。モデルぺプチド単独では、肺胞運動を模倣した圧縮・拡張に関わらず優位にα-ヘリックス構造をとります。しかしながら、LS主成分DPPCと混合すると、圧縮過程においてα-ヘリックスからβシート構造へ変化します。PGは完全な陰イオンであり、陽イオンであるモデルペプチドとの間に静電的相互作用が生じています。本研究においてこの相互作用がモデルペプチドの二次構造変化を抑制することを突き止めました。また、PAは部分的に陰イオン体として存在していることから、PGと同様の抑制効果を発揮することが分かりました。このPAに関する知見はこれまでの常識を覆すものです。LS系で添加物として頻用されているPAの役割が明らかになったことから、本研究成果は人工調製肺サーファクタントの開発研究に大きく貢献できると考えられます。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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