2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22710113
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Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
山本 真理 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (20416332)
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Keywords | ナノ材料 / 金属錯体 / 規則合金 / ナノ結晶 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
合金ナノ結晶を創生するには、還元されにくい卑金属錯体が貴金属錯体と同じ温度で熱分解し、同時に金属原子が凝集、結晶成長させる必要がある。そこで、熱分解温度が一致する卑金属錯体と貴金属錯体を探索し、一段階反応で規則合金ナノ結晶を創製することを目的とした。一段階反応が実現すれば、特定の結晶面に配位して結晶成長を抑制する保護剤を用いた規則合金ナノ結晶のサイズ・形状制御が可能になると期待できる。 還元性を有するジオール存在下、卑金属錯体(ニッケル)と貴金属錯体(パラジウム、銀、および銅)を反応させることにより、ほぼ同時に熱分解が進行し、合金ナノ粒子が合成できることを見出した。得られたナノ粒子の粉末X線回折(XRD)より、合金相が形成されたことを確認した。また、ニッケル錯体と銅錯体の仕込み比を変化させて、生成する合金ナノ粒子の金属組成比を制御した。その結果、ニッケル-銅ナノ粒子では、組成比をNi:Cu=80:20~0:100へ制御できることが分かったる得られたニッケル-銅ナノ粒子の粒子径はニッケルの割合が高くなるにつれて増大した。反応過程において、最初に銅ナノ粒子が生成した後、銅ナノ粒子表面でニッケルが還元され析出する。そのため、銅の割合が減少すると核となる銅ナノ粒子が減少し、ニッケル-銅ナノ粒子の粒子径が増大したと考えられる。 さらに振動試料型磁力計(VSM)を用いて磁気特性評価を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
還元されにくい卑金属錯体を貴金属錯体と同じ温度で熱分解し合金ナノ粒子を合成することに成功した。また、ナノ粒子の組成比の制御可能範囲を調べることができたことから、予定に沿っておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
卑金属錯体の還元には、貴金属ナノ粒子が必要であるため、卑金属に対する貴金属の割合をどこまで低減させることができるかについて検討する。具体的には、貴金属ナノ粒子の比表面積を増大させるため、貴金属ナノ粒子の粒子径を小さくする方法を検討する。
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