2012 Fiscal Year Annual Research Report
水先人きょう導時における海難の実態解明に関する研究
Project/Area Number |
22710165
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Research Institution | Hiroshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
小林 豪 広島商船高等専門学校, 商船学科, 准教授 (90311076)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 海上安全 / 交通事故 |
Research Abstract |
本研究は、水先案内人(通称PILOT)が操船を指揮している際に発生した海難事例に着目した研究を実施した。これは、その海域を熟知し、船舶を安全に航行させるために乗船している水先人がきょう導しているにもかかわらず海難に至った要因の中に、海難の本質があるのではないかと考えたためである。さらに、平成19年度に新たな水先人養成制度がスタートし、水先業務の現状は変革期にある。 これまでに、過去に発生した水先人海難について海難審判庁裁決録より抽出し、裁決録に記載されている海難要目のデータベース化を行った。さらに、学会の研究会への参加、及び水先人教育施設や、実海域の航行管制現場等の現場視察を実施した。 データベース化した海難要目は、発生日時、発生場所、船種、トン数、気象・海象状況、海難原因、適用法規、相手船の視認距離、損害状況等で、そのデータベースをもとに統計解析を行い水先人海難の傾向や特徴を明らかとした。さらに、調査対象海難の裁決録文章より海難原因に至った要因を詳細に読み取り、調査対象海難の発生要因を検討した。 これらの調査結果を踏まえて、現役水先人に対して水先嚮導中のヒヤリハットの事例や、嚮導中に特に注意していることや心がけていること、さらに現行水先制度の問題点等に関するアンケート及びヒアリング調査を実施し、水先人海難の現状や特徴を明らかとした。 水先人嚮導中に発生した衝突海難においても海難発生要因は人為的なミスによって生じており、その具体的な理由としては水先人の豊富な嚮導経験による「思い込み」や「慣れ」が起因となっていることや、情報交換が不十分により海難に至っていること等が本研究より明らかとなり、これらの結果をまとめた資料は、今後の水先教育のみならず一般船舶における安全航行に有益な資料となると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)