2012 Fiscal Year Annual Research Report
阿寒湖マリモの保全に向けた遺伝的多様性解析のための技術基盤の確立に関する研究
Project/Area Number |
22710239
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西沢 徹 筑波大学, 生命環境系, 研究員 (80414382)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | マリモ / 阿寒湖 / 分子マーカー / 個体群保全 / 遺伝的多様性 |
Research Abstract |
1.マリモ試料からのDNA分析用検体の準備 昨年度までに,阿寒湖内の複数箇所からさまざまな生活史型を含む形でマリモ試料の採集を終えた。加えて今年度は,阿寒湖エコミュージアムセンターから分譲を受けた国内の複数箇所由来のマリモも対象にし,これらの藻塊を分解して,糸状体1本毎の検体を準備した。これらの約1.5cm長の糸状体1本を試料とし,DNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN)か,Plant Genomic DNA Extraction System(Viogene)を用いて DNAの精製を行った。プロトコル通りにDNA精製を行った結果,DNAの収量は非常に僅かであったが,予備的なPCRでは増幅可能であることが確認できたことから,糸状体1本の検体からでも,PCRに供与可能なDNAが得られることを確認した。 2.湖内個体群間の識別を目的とする分子マーカーの開発 マリモのゲノムDNAからマイクロサテライトを含む領域を濃縮してゲノミックライブラリーを構築し,マイクロサテライト領域を増幅するPCRプライマーの設計を行った。87遺伝子座でプライマーセットを設計し,これらを対象に安定的に増幅が認められるPCR条件の検討を行った。その結果,9対のプライマーセットで良好で比較的安定的な増幅が確認できたことから,これらの9対のプライマーセットの一方を蛍光色素で標識して改めてPCRを行い,増幅されたPCR産物をABI3730ジェネティックアナライザーで泳動し,遺伝子型判別に適した遺伝子座であるかを解析した。その結果,6遺伝子座では波形も安定しており,集団解析に適用できる遺伝子座と考えられた。本研究期間内では,阿寒湖内の複数箇所から採集した,さまざまな生活史型を含むマリモ藻体のDNA検体の準備までを完了した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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