2010 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおける創造的実践知としての技術文化複合とその内発的発展
Project/Area Number |
22710246
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金子 守恵 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特定研究員 (10402752)
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Keywords | ものつくり / 技術文化複合 / アフリカ / 創造性 / 内発的 / 発展 / 創造的実践知 / 土器 |
Research Abstract |
この研究は、現代アフリカに生きる人びとが実践している「ものをつくり・つかう方法(=技術)」を優れて創造的な営みととらえ、それを「技術文化複合(ものをつくり、つかうための自然環境や社会的な環境との関わりと、それに関わる信念や価値観まで含めた複合体)」として検討したうえで、当該社会における「技術文化複合」の全体像と特質を明らかにし、現代アフリカ社会の多様な発展のあり方と同時にその内発的な発展の可能性を探究することをめざしている。今年度は、4月に日本ナイル・エチオピア学会において、村の人びとの創造的な実践と内発的な発展についての具体的な事例として、在来植物の製品開発とそのためのあらたな技術の導入について報告すると同時に、今後の研究計画を発表した。5月には、フランスのEHESSにおいて、技術と文化に関するワークショップや講義に参加発表し、技術文化複合について議論をおこないその概念の精緻化をすすめた。6月は関連文献の読み込みをおこなった。7月と11月には、調査地域において内発的発展の契機としての技術文化複合の有効性と可能性を検討するために、このテーマに関心をもっている院生や若手研究者とともに研究会を実施した。12月~1月の渡航では、調査地の小学生を対象にして、在来の技法を活用した製品つくりや、あらたな技法の導入をおこなうなどした。また、その活動に関わる人びとの情報を共有するKJ法をもちいて、実際の活動の過程を記録しながらすすめた。2~3月は、帰国後の資料整理等とともに、土器つくりの技法の特質について『土器つくりの民族誌』を刊行した。3月には、国際フォーラム(アフリカにおける社会的な性差を基盤にした技法と知識)を企画していたが、3月11日の地震とそれにともなう原子炉の事故によって、来年度へ延期を余儀なくされてしまった。現在、来年度開催の予定で準備をすすめている。
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Research Products
(6 results)