2012 Fiscal Year Annual Research Report
名古屋・東海地域の外国籍女性とグローバル化する社会的再生産
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22710264
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
菊地 夏野 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 准教授 (00381898)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ジェンダー / セクシュアリティ / エスニシティ / 移民 / 女性 / 外国人 / 国籍 / 裁判 |
Research Abstract |
今年度は、下記の実績を得た。 第1に、在日フィリピン人女性とそのジャパニーズ・フィリピーノ・チルドレン(JFC)が行った裁判闘争について考察した。これは国籍法に関するもので、2006年に最高裁で違憲判決が出るという画期的な成果を残した。この原告とその母および支援したNGOに聞き取り調査を行った。聞き取り調査結果をもとに、ジェンダー論やナショナリズム論に照らしてこの訴訟がもつ意味を考察した。なかでも日本社会におけるセクシズムとナショナリズムのなかでマイノリティ女性がおかれた位置と、そこから脱するために行った実践の可能性と限界について探った。 第2に、現代日本社会のジェンダー意識を探る端緒として、若い世代の女性の運動について考察した。若い世代のフェミニズム離れが語られる中、関西で「女子」を掲げて行われた集合行動に着目し、参加者にインタビュー調査を行った。行動の中で「女子」に与えられた意味やそれをめぐるコンフリクト、またその行動の社会的評価や報道等を読解し、現代日本においてジェンダーがどのように認識されているか解明する作業に着手した。 第3に、関連して基盤となるフェミニズム理論について考察を深めた。G・C・スピヴァクのテキストからポストコロニアル・フェミニズム理論のありようを明らかにする研究を行った。J・バトラーやコーネル、フレイザー等現代フェミニスト理論家の研究を日本社会でどのように咀嚼できるか考察した。 上記の実績を、具体的には学会報告および論文として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるため、本研究の中間総括を行う。これまでに明らかにしたことをまとめ、その評価を行う。その上で次年度以降の計画を構想する。
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Research Products
(7 results)