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2010 Fiscal Year Annual Research Report

19世紀イギリス帝国主義と小説の共謀関係再考

Research Project

Project/Area Number 22720108
Research InstitutionTohoku Institute of Technology

Principal Investigator

鈴木 淳  東北工業大学, 共通教育センター, 講師 (10552755)

Keywordsニューウーマン / 帝国主義 / セクシュアリティ / 優生学
Research Abstract

当該年度の研究と成果に関しては、以前から研究を進めていたSarah Grandなどの「ニューウーマン作家」と帝国主義の関係をさらに詳しく調べるために、主にニューウーマン作家に関する資料収集と関連するテーマの考察を行った。その結果、これまで批評家たちによって述べられてきた「教育パンフレット」としての小説を書くことによるニューウーマン作家の政治参加と帝国主義への共謀とは異なり、逆にテクストに曖昧に描かれた女性のセクシュアリティにより、帝国の秩序が脅かされる可能性があることが明らかになった。また、その研究と関連して、当時の優生学とニューウーマン作家の関係、そしてそれに対する当時の男性作家の態度がいかなるものだったかについて研究した。その際に、当時(1890年代前後)の小説に描かれた梅毒への恐怖というテーマについても考察した。このニューウーマンと梅毒に関してはすでに研究されているが、本研究では、GrandとThomas Hardyをとりあげ、最終的には、当時の優生学に基づいた「帝国の母」としての女性の教育と帝国主義政策に対するHardyのアイロニーがテクストに見られることを明らかにした。これまであまり研究されてこなかった「Hardyと帝国主義」を扱ったことに意義があると思われる。この研究成果については、次年度に学会発表を考えている。その他には、日本英文学会第82回全国大会で、Collinsと帝国主義に関する研究の一部を口頭発表した。イギリスの野蛮化の問題は、帝国再生を目的とするニューウーマンとも密接に関係する。発表内容については、次年度の研究期間に幾つかの新たな論点を加えて発展させ、論文にする予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 後期イギリス帝国主義はスコットランドを文明化できるか-The Frozen Deepにおける千里眼-2010

    • Author(s)
      鈴木淳
    • Organizer
      日本英文学会第82回全国大会
    • Place of Presentation
      神戸大学国際文化学部キャンパス
    • Year and Date
      2010-05-30

URL: 

Published: 2012-07-19  

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