2010 Fiscal Year Annual Research Report
ジャーナリズムと文学:ピータールー虐殺事件の受容に関する研究
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22720124
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
江口 誠 呉工業高等専門学校, 人文社会系分野, 准教授 (50332060)
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Keywords | 英米文学 / ロマン主義 / イギリス文化研究 / ピータールー |
Research Abstract |
平成22年度は、1819年8月にイギリスのマンチェスターで発生したピータールー虐殺事件(Peterloo Massacre)に関連する資料収集を行った。この事件に関する報道については、左翼的なWilliam Cobbett編集の雑誌Political RegisterやLeigh Hunt編集の雑誌The Examinerをはじめ、その他保守的志向の雑誌や記事など、19世紀初頭イギリスに於いて出版されていた主な文芸誌を中心に収集し、その報道傾向を明らかにした。同時期に発行された各種パンフレット、他の雑誌記事、さらには事件に関係する議事録及び裁判記録等の一次資料についてもこれらを収集し、十九世紀初頭イギリスに於いて存在したであろう様々な言説を整理する作業を行った。 議事録、発行部数が極端に少ない貴重なパンフレットや公開書簡など、日本国内では入手または閲覧が極めて困難な資料については、在外研究の際にも頻繁に利用したBritish Libraryあるいは各大学図書館など、イギリスの図書館や資料館に直接赴いて収集する予定であった。しかしながら、諸事情により当該年度の渡英が不可能となったため、日本国内において可能な限り資料収集を行った。 また上記の作業と並行して、本研究のもう一方の柱である、関連する十九世紀初頭のイギリス・ロマン派の作品及び雑誌記事の精読も行った。そこから、R.B.ShelleyやJohn Keatsを含めた同時代詩人や作家、ジャーナリストらの個々の思想の特徴を見いだし、事件に関する様々な主張や概念の整理を始めたところである。その成果として、同年度内に査読付論文を発表することが出来た。
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Research Products
(1 results)