2010 Fiscal Year Annual Research Report
梁啓超の文化構築と明治日本-変法運動から「新民」確立の過程を中心に
Project/Area Number |
22720145
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
吉田 薫 日本女子大学, 文学部, 学術研究員 (30571400)
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Keywords | 戊戌変法 / 梁啓超 / 変法派 / メディア / 九州日報 / 東亜報 / 漢学者 / 新民 |
Research Abstract |
1.1898年9月、戊戌の政変が起こると、日本の外交は中国近代の改革者康有為と梁啓超の亡命を受け入れた。この時、日本のメディアは康有為と梁啓超の動きをどのように伝え、またかかわっていこうとしたのであろうか。以前収集したデータをもとに、東京・大阪の各紙と『九州日報』を中心に改めて調査し、考察した。2.山本憲の御遺族が高知市立自由民権記念館に寄託され、記念館にて整理された「山本憲関係書簡」の一部を閲覧し、梁啓超の変法運動ならびに在日活動について検討した。また自由民権記念館関係の研究者から山本憲や書簡の状況について話を伺った。3.京都大学人文科学研究所所蔵の『東亜報』について考察した。梁啓超ら変法派は変法運動の一環として「報刊」(新聞・雑誌)の出版活動を精力的に展開し、神戸でも政変前から『東亜報』を発行していた。上記の「山本憲関係書簡」と照らし合わせ、『東亜報』関係の具体的な状況を検討した。また北京にて、変法派がかかわった大同訳書局の出版物及び近年の出版関係の研究状況について調べた。以上1~3の研究調査について現在論文を執筆中である。4.本研究の課題である梁啓超と明治思想のかかわりの一環として、梁啓超が「新民」のための死生観を探究していく過程を検討し、論文「"新民"与"死生観"的糾纏-梁啓超従"宗教"到本土文化的関注」にまとめた(『東岳論叢』〈中国・山東社会科学院〉2011年夏頃に掲載される予定である)。
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