2011 Fiscal Year Annual Research Report
モバイル機器に対応した英語授業支援システム構築とその効果に関する研究
Project/Area Number |
22720230
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小野 雄一 筑波大学, 人文社会系, 助教 (70280352)
|
Keywords | e-Learning / 教育工学 |
Research Abstract |
今年度は昨年度構築した普通教室においてiPod Touchを活用した授業に関する実証研究を実施した。主には、iPod TouchとLMSを接続し、映像資料を活用しながら音読活動を中心にした授業モデルを実践した。主たる実験は、平成23年度6月から7月にかけて研究代表者の前任校である高等専門学校の理工系学科に所属する4年生(大学1年生に相当)を対象に行ったReadingの授業の中で実施した授業であった。研究テーマはiPod Touchを活用した授業の実践報告、システム評価、学習者の動機づけに関するものであった。近年多くの学校でCALLシステムが導入されているが、すべてのクラスの英語の授業をCALL教室で実施できる学校はまだまだ少ない。普通教室にアクセスポイントを設置し、学生のiPod Touchと教室に設置したLMSを活用し、通常の講義とiPod TouchによるShadowing演習活動を行う、いわゆるBlended Learningを実施した。 授業の前後に実施した語彙の定着に関するテストの結果、統率群と実験群との間に有意な差が認められた。また、ケラーの動機づけモデル(ARCSモデル)に基づいて授業デザインを実践した結果、ボトムアップ方略をとる傾向が強い学習者がよりコミュニカティブな方略の方向へ意識が変化していたことが分かった。使用感に関する印象評価も同時に実施したが、「使いやすい」とか「親しみがある」などに関する因子が抽出され、CALLシステムを利用した授業で期待されている部分と同じような効果が観察できた。 今後は、支援システムとしてのモバイルを利用したBlendedLearningをより効果的なものにするために、モバイルのshadowingアプリを開発し、授業の中の実践を行いたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モバイルを利用した支援システムの構築、および授業モデルの提案に関してはそれなりの成果が出ている。ただし、今後はもっとコンテンツを増やしていく必要がある。また、英語以外の利用に関する実践も行えた。プラットフォームの汎用性が示された。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は大きな授業改善の中でシステム評価及び改善、上でも述べたコンテンツ制作、および授業実践を通した実践研究を行っていきたい。
|