2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730094
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
原田 綾子 早稲田大学, 法学学術院, 助手 (00547630)
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Keywords | 里親 / 児童福祉法 / 民法 |
Research Abstract |
本研究は、課題名である「里親の権利義務:児童福祉法と民法の架橋」が示す通り、里親養育に関する児童福祉法上の公的規律と民法上の私的規律を架橋する新しい法的枠組みを構築するために、里親の権利義務を明らかにすることを目的とする研究である。 本年度は、研究計画書に記載したとおり、日本において里親養育がどのような形で実践されているかを明らかにすることを年次目標として、調査および研究を実施した。 まず、日本の里親制度に関する先行研究のレビューを行った。文献は所属研究機関の図書館およびデータベースを利用、特に重要な書籍や図書館にない資料は大学書店やAmazonなどのインターネットサービスによって購入した。 児童相談所の児童福祉司や民間の里親支援団体のソーシャルワーカー数名から、里親委託実務の現状について話を聞いた。平成23年度には、複数の児童相談所に対するより構造化された質問調査を行う予定である。 以上のような研究活動を通して得た知見を踏まえ、日本の社会的養護システム(里親養育を含む)の実情と問題点を論じた論文(英語)を執筆した。この論文は、アメリカの研究雑誌Illinois Child Welfareに寄稿し、掲載が決定されている。 更に本年度は、アメリカの里親養育制度について調査研究を行い、その特徴を明らかにするとともに、制度運用の実情と課題について検討を行った。アメリカの里親制度研究は当初平成23年度に実施する予定であったが、日本の制度を考えるにあたってアメリカとの比較の視点が有益であると考え、計画を前倒しして本年度から実施することとした。
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