2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730128
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
山岸 敬和 南山大学, 外国語学部, 准教授 (00454405)
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Keywords | アメリカ合衆国 / 医療制度 / 医療保険 / 退役軍人 / 医師会 |
Research Abstract |
1960年と1970年代は、アメリカにとって現在の医療保険システム(貧困者、高齢者、障害者は公的保険に強制加入、その他は民間保険に任意加入)が出来上がった時期である。1965年には、貧困者向けにメディケアが、高齢者と障害者向けにメディケイドが公的保険として成立した。そして1973年には、健康維持機構法(Health Maintenance Organization Act)が成立し、その後比較的安価な民間保険である健康維持機構(通称HMO)が民間保険の成長を後押しした。本研究は、1960年代から1970年代にかけてのこのようなアメリカ医療制度の発展を、アメリカ医師会が採用した戦略の変化に注目しながら分析することを目的としている。日本との比較研究を視野に入れながら研究を行なう。以上が本研究課題の内容である。 平成23年度は、資料の収集を継続するとともに、既に入手した資料を整理、分析する作業を行なった。また著書と論文各々一本ずつを刊行した。著書は、1950年代までの日米の医療保険制度の発展をまとめたものである。また論文は、医療保険政策の発展を分析するための枠組み作りを論じたものである。 さらに、平成23年度は、二回の学会発表を行なった。一つ目は、日本の1950年代から1960年代までの医療制度をめぐる政府と医師会の関係性を論じるものである。二つ目は、アメリカにおける医療制度の発展の中で退役軍人団体とアメリカ医師会がどのような役割を果たしたのかを論じたものである。 平成23年度の資料収集および刊行物は、1960年から1970年代にかけてのアメリカの医療制度発展と日本と比較しながら分析するという本研究課題の目的を達成するための大きな進展となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料の収集と整理は順調に進んでいる。過好物の発表や、進行中の研究についての学会発表も予定通り進んでおり、当初の計画通りに研究が進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
残り二年となった本研究課題の目的を達成するためには、平成24年度に資料の収集をほぼ終了させると同時にその成果を刊行物として発表していく準備を行なっていく。そして平成25年度には、本研究課題について少なくとも論文を3本の刊行をめざし、そして著書の原稿執筆を完成させる予定である。
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Research Products
(5 results)