2010 Fiscal Year Annual Research Report
戦前日本におけるマルクス主義文献の大衆的普及の様相
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22730169
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
久保 誠二郎 東北大学, 大学院・経済学研究科, 博士研究員 (80400216)
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| Keywords | マルクス主義 / 大衆 / 文献史 / 普及史 / 受容史 / 戦前日本 / 大正・昭和初期 / 社会主義思想 |
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| Research Abstract |
当該年度では、戦前のマルクス主義文献の大衆的普及に関する基礎的な知見を得ることを目的として、次の課題に取り組んだ。
・マルクス主義の啓蒙的文献の探索、・マルクス主義文献の学習案内の探索、・雑誌広告などの収集である。これらの課題の確実な遂行のために、戦前期のマルクス主義文献の網羅的な探索を出来る限り行うことにし、研究用にデータベース化することにした(これまでに、戦前期マルクス主義文献の書誌情報を約700点収集した)。主に首都圏の大学、国会図書館の所蔵状況の調査をもとに、出来る限り実見することを目標に行ってきた。こうした広いマルクス主義文献の収集から次年度に啓蒙的文献をリストアップしていくことにする。
学習案内については『マルクス主義講座』(上野書店)中のものなどを見出した。また『何を読むべきか』と同様のタイトルで他に数点あることもわかった。
マルクス主義文献の広告の探索については、雑誌・機関誌を念頭に置き機関誌『労働者』、『労働』などで行ったが、研究を進める中で新聞にも数多くのマルクス主義文献の広告、また記事中にマルクスの名前が現れており、新聞の調査は非常に興味深いことがわかった。特に東京朝日新聞、読売新聞については戦前期の紙面のデジタル・データベースが充実し、検索も容易であり、十分に活用できる状況であることもわかった。そこで雑誌調査については限定的にとどめ、新聞調査を優先させることにし、読売新聞等で記事、広告を100点程度を収集した。
これらは従来の研究が対象としてこなかった文献資料であり、また本研究の基礎となるものである。
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