2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730266
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
広田 啓朗 名古屋商科大学, 商学部, 専任講師 (10553141)
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Keywords | 市町村合併 / 地方財政 / 行政評価 |
Research Abstract |
本年度は、市町村の統計データを収集し基礎的な分析を実施した。特に、市町村合併などの行政広域化を評価するために、総務省自治財政局が作成している『類似団体別市町村財政指数表』の類型を用いた比較分析を実施した。各市町村が合併前に属していた類似団体の平均費用の合計を算出し、合併市町村の決算値と算出した合成値を対比することで財政面における市町村合併の評価を行った。同時に市町村パネルデータを用いた計量分析も行っている。また、市町村の統計データのみでは読み取ることのできない各市町村の地理的条件や環境条件などを詳細に調査するためヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査を行った地方自治体は、静岡県庁、静岡市、静岡県浜松市、静岡県森町、福岡県太宰府市、福岡県桂川町、熊本市である。基礎的な分析として、日本地方財政学会第18回大会にて「平成の大合併にまる市町村議会費への影響」(湯之上英雄氏との共著)を報告した。加えて、地方行財政改革の取組みの一つとして、市町村が導入している行政評価について、金坂・広田・湯之上(2011)を報告した。行政評価の導入による成果を検証するための第一ステップとして、総務省(2009)のアンケート調査をもとに、行政評価の成果と課題について地方政府がどのように捉えているのかを知るためクロス集計分析を行った。分析結果をまとめると、地方政府は、行政評価の成果として「成果の観点で施策や事業を検討」できたとともに、「事務事業の廃止や予算削減」ができたとしている。一方で、成果があったとする団体であっても「予算編成等」への活用は課題であると受け止めているようである。また、外部からの意見の受け入れも課題とされていた。
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