2012 Fiscal Year Annual Research Report
LCCが地方空港に与える影響に関する定量分析-英国を事例として-
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22730343
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
横見 宗樹 大阪商業大学, 総合経営学部, 准教授 (20388424)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | LCC / 空港経営 / 地方空港 / DEA(包絡分析法) / 技術的効率性 / 空港の所有権構造 / 空港民営化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、LCC(低費用航空会社)が地方空港の経営効率性に与える影響を計測することである。イギリスはヨーロッパのなかでも早期にLCCが発展し、近年では地方空港に対しても積極的に就航している。LCCは地方空港を発地とする潜在的需要を顕在化する一方で、地方空港はLCC誘致のために空港使用料の低減を図ろうとする。つまり、LCCと地方空港は相互作用を及ぼしながら発展を遂げてきた。 わが国でも2012年に本邦LCC3社が就航を開始し、本格的なLCCの時代が今後急速に進んでいくものと予想される。関西国際空港では、LCCを空港活性化の起爆剤と位置づけ、2012年10月には日本で初となる本格的なLCC専用ターミナル(第2ターミナルビル)の供用が開始された。やがては、旅客需要が伸び悩む日本の地方空港においてもLCCを活用した空港活性化の議論が現実味を帯びてくるであろう。 こうした背景のもと、LCCが地方空港の経営効率性に与える影響を考察するため、イギリスの地方空港をサンプルとして、DEA(包絡分析法)と多変量解析による2段階法(two stage procedure)を用いて、LCCの就航が空港の技術的効率性に与える影響を計測した。その結果、①空港の航空系活動(着陸料等を収入源とするもの)に関しては、チャーター便と同じくLCCも空港に対して最も重要な影響を及ぼすこと、②航空系活動と非航空系活動(空港ターミナルにおける商業活動など)の双方をあわせた空港全体の活動に関しては、LCCよりもチャーター便のほうが、より著しい影響を及ぼすことが明らかとなった。 このことから、イギリスの地方空港では、航空系活動におけるLCCの効果が確認された一方で、今後は非航空系活動においてもLCCの効果を取り込むような高度な商業戦略が重要であることが課題として指摘される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)