2010 Fiscal Year Annual Research Report
縮小社会下の日本型まちづくりの水平展開による、新たなコモンズ形成の地域間比較研究
Project/Area Number |
22730395
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
矢部 拓也 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (20363129)
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Keywords | 社会学 / 都市計画・建築計画 / まちづくり / 中心市街地活性化 / 都市再生 / 社会起業 / NPO / あたらしい公共 |
Research Abstract |
本年度は、香川県高松市丸亀町商店街、大分県豊後高田市の昭和のまちづくり、竹田市のまちづくり、帯広市の中心市街地の活性化およびまちづくり会社、熊本市の商店街およびまちづくり会社、長崎市の中心市街地、東京都中延商店街、早稲田商店街、滋賀県長浜市、兵庫県神戸市新長田商店街のフィールドワークおよび、四国の学生団体と大分の学生団体へのヒヤリングを行った。 本年度はこれまで調査を行ってきた海外(アメリカ、中国)のまちづくり会社の事例をまとめる機会を得たので、当初の調査計画とは異なり、これまで研究を行ってきた日本のまちづくり会社を中心とした中心市街地の成功事例である、滋賀県長浜市、香川県高松市の事例と比較する事で、日本的まちづくりの特徴を描き出し、次年度以降の新たなフィールド調査における比較調査の視点を明確にする事とした。日本と中国のまちづくり会社は、アメリカと比較した場合、実際の現場でまちづくりを実施する役割と、全体計画を立て関係する諸団体のネットワーク化や資金確保、進捗のマネジメントなどを行う中間支援業務が分離せず、その一切をまちづくり会社に負わせているが故にうまく行かないことが明らかになった。このことが、日本における都市再生が1事例に成功に終わり、水平転換してゆかない要因であると思われる。次年度は、長浜、高松の事例に比べると、当初から水平転換・全国展開を意識しているまちづくり組織の調査を行う事で、日本のまちづくりの強みを活かしつつ、水平展開する可能性を探ってゆきたい。
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Research Products
(2 results)