2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者ボランティアの老いの受容と活動の継続・引退に関する支援のあり方の検討
Project/Area Number |
22730471
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
野中 久美子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70511260)
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Keywords | ボランティア / 高齢者 / 社会参加 / 健康増進 / ボランティア活動継続 / 活動支援 |
Research Abstract |
研究1.インタビュー調査の妥当性検討 平成22年度に実施したインタビュー調査により得た知見の妥当性検討を目的とし、3地域の「りぷりんと」ボランティア約150名を対象にアンケート調査を実施した。調査項目は、(1)主観的健康評価、(2)ボランティア活動継続に対する意向と不安、(3)心理変数(自尊感情、抑うつ)、(4)老いに関する評価、(5)老研式活動指標である。 研究2.総合健康調査に基づく身体・認知機能の評価 「りぷりんと」研究のベースライン時点(平成16年)から実施している総合健康調査の身体と認知機能検査データを活用し、高齢者ボランティアの客観的健康評価を得た。調査項目は、(1)体力測定:握力,開眼片足立ち等、(2)認知検査:記憶、知能(日本版WAIS-R成人知能検査の言語性検査)、処理速度(日本版WAIS-R成人知能検査の動作性検査の「符号」)、言語、である。研究1と研究2のデータを用いて、高齢者の主観的健康評価、客観的健康評価、およびボランティア活動継続に対する意向や不安との関連について分析している。 研究3.ボランティア活動の継続支援プログラムの検証 平成22年度に実施したインタビュー調査により得た知見に基づき、都内一自治体に位置する地域包括支援センターと地元任意団体と共に、健康問題を有する高齢者でも実施可能な「絵本読み聞かせ」ボランティア活動を運営、支援した。活動の参与観察と地域包括支援センター職員への聞き取り調査により、ボランティア活動継続に必要な要件を検討した。その結果、コーディネーターや若手会員を対象とした研修内容など、ボランティア団体内での支援関係の醸成に必要なグループ運営に関する知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の計画であった、客観的健康評価検討のための総合健康調査を実施した。平成22年度に実施したインタビュー調査より得た仮説に基づき、後期高齢者を主体としたボランティアグループの活動の参与観察や関係者への聞き取調査を実施した。その結果、高齢者ボランティアの活動継続に必要な具体的な支援策に関する知見をえた。H24年度は、その支援策の試作と効果評価を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果に基づき、健康課題を有する高齢者ボランティアが活動を継続するために必要な3要件を抽出した:1)ボランティア団体の所属会員が高齢期に起きる健康障害に対する正しい認識を持つ、2)ボランティア団体の所属会員が活動施設のニーズを理解する、3)ボランティア団体の所属会員間の手段的および情緒的支援の授受がある、であった。この要件を既存の団体で醸成するための研修プログラムを試作・実施し、その効果を検証する。
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Research Products
(1 results)