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2011 Fiscal Year Annual Research Report

集団討議における話者の取得役割の時系列的変化と集団内構成に関する動的アプローチ

Research Project

Project/Area Number 22730495
Research InstitutionKurume University

Principal Investigator

藤本 学  久留米大学, 文学部, 准教授 (00461468)

KeywordsDiscussant-roles / グループディスカッション / 機能的役割 / 潜在的役割 / 話者役割
Research Abstract

本年度は討議参加者の機能的役割であるbiscussant-roles(これまでの話者役割に相当)の同定とカテゴライズを行った。その際に参考にしたのがDeep rolesである。Deep rolesは,"Evaluation""Gender""Hierarchy"という3規則から成る。各規則は,貢献的か否か,TaskかSocioemotionか,LeaderかWorkerかの違いを判別する。これまでの機能的役割はGender規則とEvaluation規則は,これまでの研究の中に見出すことができる。
本研究は残るHierarchy規則に注目し,Discussant-rolesの取得傾向に関する複数回の質問紙調査と集団討議実験を実施した。その結果,Discussant-rolesの構成要素として,"影響力軸""積極性軸""受容性軸"を同定した。
積極性軸と受容性軸はそれぞれGender規則の男性性(Task)と,受容性軸は女性性
(Socioemotion)と対応している。従来の機能的役割のカテゴリーが"機能の違い"という1軸だったのに対して,それぞれが独立した軸を形成していることを明らかにしたことは大きい。それは,Discussant-rolesの取得傾向や実際の取得行動において,PM理論のパラダイムのように,Task偏重かSocioemotion偏重かだけではなく,両方の機能を果たそうとする者とどちらの機能も果たそうとしない者を識別することができるからである。実験でも積極性と受容性が高い取得行動を行った参加者がもっともよいパフォーマンスを示していた。
残る影響力軸はHierarchy規則と完全に対応している。メンバーの影響力の違いが独立した軸を構成したことは,これまで機能的役割を分類する上で,Hierarchy規則を軽視してきたことが大きな過失であることを示している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画を執筆した段階よりも,研究を通してグループディスカッションにおけるメンバーの役割に関する考究が進み,概念的な深化が図られ,それを実証する知見を得ることにも成功している。
平成23年度の研究成果は,すでに論文としてまとめている。現在は投稿に向けた準備を行っている。
平成23年度に予定していた実験および調査についてもすべて計画通りに完了している。

Strategy for Future Research Activity

これまで話者役割としていたものを,研究計画により即するようにDiscussant-roles(討議参加者役割)と変更した。名称変更とともに,概念的な精緻化も行っている。平成24年度は,このDiscussant-rolesの取得行動について,研究計画時には着想していなかった斉一性という観点から,マルチレベル分析を用いて明らかにする予定である。
また,本計画は全体的な分析の限界を受けて,時系列的な役割取得行動の分析を可能にする新たな方法の開発を主目的のひとつとしていたが,集団メンバーの役割取得行動に関する斉一性と個別性は全体的な分析である。しかしながら,役割取得の斉一性に関する知見は,役割トレース法を開発する上で必要不可欠であることから,分析方法の開発に優先して,実行する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Book (1 results)

  • [Book] スキルとしてのコミュニケーション幸福を目指す対人社会心理学-対人コミュニケーションと対人関係の科学(大坊郁夫(編著))2012

    • Author(s)
      藤本学(第9章執筆)
    • Total Pages
      296
    • Publisher
      ナカニシヤ出版

URL: 

Published: 2013-06-26  

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