2011 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児の母親の「子ども理解」「自己理解」促進に向けた臨床心理学的援助法の開発
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22730548
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金城 志麻 琉球大学, 教育学部, 講師 (20548292)
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Keywords | 発達障害児の母親 / 子ども理解 / 自己理解 / 臨床心理学的援助 |
Research Abstract |
本年度は、以下の3点について調査研究を実施した。 1.「子ども理解」「自己理解」構成概念の検討 平成22年度に引き続き、発達障害児を育てる母親の「子ども理解」「自己理解」に関する構成概念の妥当性について検討することを目的とした調査を実施した。引き続き調査を行った理由としては、平成23年度で収集した調査数では、構成概念の妥当性を検証するには至らなかったためである。具体的な調査内容は、以下の通りである。 (1)幼児期の発達障害児を育てる母親に対して「子ども理解」「自己理解」の促進を目指したグループアプローチによる実践を行い、その活動の中で話された「子ども理解」「自己理解」に関する発言を収集した。 (2)上記で収集された「子ども理解」「自己理解」の内容の妥当性を検討するため、児童期の発達障害児の母親に対して「子ども理解」「自己理解」に関する面接調査を行った。 2.発達障害児を育てる母親への臨床実践の効果を測定する評価表の作成 平成22年度に引き続き、幼児期の発達障害児を育てる母親に対して「子ども理解」「自己理解」の促進を目指したグループアプローチによる実践を行った。引き続き調査を行った理由としては、グループアプローチの実践に参加する人数が予定よりも少なかったためである。実践した活動内容の違いによるアプローチの効果を測定する評価票を作成するため、それぞれの活動後に体験内容に関するアンケートを実施した。 3.発達障害児を育てる母親の「子ども理解」「自己理解」の変容過程 平成22年度に引き続き、幼児期の発達障害児を育てる母親に対して「子ども理解」「自己理解」の促進を目指したグループアプローチによる実践を行った。そこで「子ども理解」「自己理解」に関する縦断的なデータの収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、幼児期の発達障害児を育てる母親に対する集団心理療法による実践を通して、幼児期の発達障害児を育てる母親に関する「子ども理解」および「自己理解」について明らかにするとともに、それぞれの発達的プロセス及び関連性を検討する基礎的研究および臨床心理学的援助法の開発が目的である。その目的に基づいて、幼児期の発達障害児を育てる母親に対して「子ども理解」「自己理解」の促進を目指したグループアプローチによる実践しているが、予定よりも参加人数が少なくデータの収集に時間がかかっている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、幼児期の発達障害児を育てる母親に対する集団心理療法による実践を通して、幼児期の発達障害児を育てる母親に関する「子ども理解」および「自己理解」について検討するとともに、それぞれの発達的プロセス及び関連性を検討する基礎的研究および臨床心理学的援助法の開発が目的であった。しかし、幼児期の発達障害児を育てる母親に対して「子ども理解」「自己理解」の促進を目指したグループアプローチによる実践への参加人数が予定よりも少なかったため、研究に遅れが生じている状況にある。以上のことから、本研究の今後の推進方策として、まず幼児期の発達障害児を育てる母親に関する「子ども理解」および「自己理解」について検討するとともに、それぞれの発達的プロセス及び関連性を検討する基礎的研究を明らかにすることを目的とした研究計画へと変更を行う。
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