2012 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児の母親の「子ども理解」「自己理解」促進に向けた臨床心理学的援助法の開発
Project/Area Number |
22730548
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金城 志麻 琉球大学, 教育学部, 講師 (20548292)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 幼児期の発達障害児 / 発達障害児の母親 / 子ども理解 / 自己理解 / 臨床心理学的援助 |
Research Abstract |
本研究は、幼児期の発達障害児を育てる母親に関する「子ども理解」および「自己理解」について明らかにするとともに、それぞれの発達的プロセス及び関連性を検討する基礎的研究と、「子ども理解」「自己理解」の促進を促す臨床心理学的援助法の開発にむけた臨床実践的研究である。 本年度の研究は、幼児期の発達障害児を育てる母親の「子ども理解」について、育児効力感との関連から検討を行った。その結果、言語面でのコミュニケーションに困難を有している自閉症児を持つ母親においても、子どもの成長に伴い言語発達が進むと、母親は子どもの感情を言語的情報によって推測する機会が増えていると示された。さらに、子どもの言語発達に伴い、言語でのやりとりの中で関わりの困難感を感じることが多くなるが、 その際に言葉の背景にある子どもの感情等を推測する母親の方が、育児効力感が高いことが示された。 さらに、幼児期の発達障害児を育てる母親対して、集団心理療法の実践から「子ども理解」および「自己理解」について検討を行った。集団心理療法を開始した当初は母親から自責や不安といった自己に関する感情が語られたが、他の母親との被受容感を体験する中で、現状を受け入れる感情が語られるようになった。さらに子どもについての言及が増加する傾向が見られ、関わりへの意欲が語られた。 以上の結果より、幼児期の発達障害児を育てる母親に対する臨床心理学的援助においては、表情のように非言語的情報の背景にある子どもの気持ちを支援者が推測して伝えるなかで「子ども理解」を促すことが重要と考えられる。さらに、自責感や不安を感じている母親に対して、被受容感の体験を促すことは、自己の現状を受け入れようとする「自己理解」につながり、「子ども理解」の基盤となると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)