2011 Fiscal Year Annual Research Report
中学生の非行行動の小学校開始型と中学校開始型の縦断的検討
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22730559
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Research Institution | Shiraume Gakuen University |
Principal Investigator |
小保方 晶子 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (00442088)
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Keywords | 非行 / 中学生 / 移行期 / 小学校 / 中学校 / 縦断的検討 / 開始時期 |
Research Abstract |
本研究は、中学生の非行行動について、縦断調査を行うことにより、非行行動の開始時期によるリスク要因の違いを明らかにすることを目的とする。平成19年度から調査を開始し、小学校5年生から中学校3年生を対象に3年間にわたり縦断調査を実施してきた。平成22年度(平成22年度からの科学研究費による調査では第1回目)は、同じ中学校を対象として、中学生1年生~3年生を対象に縦断調査の第4回目を行った。平成23年度は、中学1年生667名、中学2年生593名、中学3年生571名、合計1831名を対象に縦断調査の第5回を行った。今年度で、小学校5年生から中学校3年生までの5年間のデータが揃った。 今年度は中学生のデータから、中学生のインターネットを通じた出会いの現状について明らかにした。結果、「出会い系サイト」と限定して尋ねた場合、経験者は少ないが、「インターネット」を通じて出会った人とメールをした経験のある子どもが多いことが明らかになった。また、経験のある子どもは、就寝時間が遅い、携帯の使用時間が長い、親による監督が低い、先生との関係が悪い、学校を楽しいという気持ちが少ない、抑うつが高い、セルフコントロールが低かった。インターネットを通じた出会いは、出会い系サイトと全て関わるものではないが、子どもの特徴が非行や出会い系サイトの経験のある子どもと共通しているため、今後問題が深化していく危険性のあるものと考えられた。さらに、今年度は、小学校6年生と中学校1年生の縦断データから、中学1年生で問題行動が開始された子どもの小学校の時期の特徴を明らかにした。その結果、小学校時期のゲーム使用時間の長さが中学校の問題行動の予測要因である可能性が示唆された。本研究は、中学校時の問題行動のリスク要因を小学校時の要因から明らかにすることで、リスクの高い子どもに対し早期の介入が可能になり、生活指導面等の学校現場での実践に活かすことができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学校5年生から中学校3年生までの縦断調査を行っているが、今年度の調査で中学校3年生までの5年間の縦断データを実施することが出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
小5から中3までの縦断調査に基づき、小学校から問題行動が見られた子どもと、中学入学後に問題行動が開始された子どものリスク要因の分析を進める。また、今年度も引き続き、中学生を対象に縦断調査を行う。縦断データのコホートが2つ揃うため、それらを分析することにより、結果の妥当性を確認する。
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Research Products
(2 results)