2012 Fiscal Year Annual Research Report
中学生の非行行動の小学校開始型と中学校開始型の縦断的検討
Project/Area Number |
22730559
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Research Institution | Shiraume Gakuen University |
Principal Investigator |
小保方 晶子 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (00442088)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 非行 / 中学生 / 移行期 / 小学校 / 中学校 / 縦断的検討 / 開始時期 |
Research Abstract |
本研究は、中学生の非行行動について、縦断調査を行うことにより、非行行動の開始時期によるリスク要因の違いを明らかにすることを目的とする。平成19年度から調査を開始し、小学校5年生から中学校3年生を対象に3年間にわたり縦断調査を実施してきた。引き続き、同じ中学校を対象として、平成22年度から縦断調査をさらに3年間(3回)実施した。今年度(平成24年度)は、中学1年生740名、中学2年生669名、中学3年生603名、合計2012名を対象に縦断調査の第6回目を行った。方法は質問紙調査である。昨年度で、小5から中3までの5年間のデータの第1セットが、今年度は5年間のデータの第2セットが揃った。縦断データのコホートを2つ分析することにより、調査結果の妥当性を確認することが可能である。今年度は、小学生と中学生のデータから、家庭において暴力のある子ども(親と喧嘩をした時の親をなぐる・物を投げる)の特徴を明らかにした。親子喧嘩における暴力は、どの学年でも一定の割合が経験していた。女子は男子と比較して、親と喧嘩した時に物にあたる傾向が強かった。親への暴力の経験のある子どもは、ない子どもより、親子関係が親密でない、親による暴力が高いなど親子関係が悪い。友人関係の親密さには違いがみられないが、先生との関係が悪く、学校を楽しいという気持ちが低かった。また、抑うつが高く、睡眠時間が短かった。家庭において暴力のある子どもは、学校種に関わらず、小学生、中学生ともに同じ特徴がみられた。また、非行のある子どもと同様の特徴がみられることが明らかになった。本研究は、問題行動のリスク要因を明らかにすることで、リスクの高い子どもに対し早期の介入が可能になる。また、中学校移行期を含めていることから、本研究の成果に基づき、中学校へのなめらかな移行や連携教育などの教育実践に対し有益な示唆を与えることができると考えられる。
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Research Products
(1 results)