2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸化物ナノ結晶における電子-正孔捕獲の理論模型
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22740192
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
マッケナ キースパトリック 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (50547297)
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Keywords | 電子捕獲 / 正孔捕獲 / 金属酸化物 / 粒界 / 第一原理 / ナノ粉末 |
Research Abstract |
本課題の目的は、酸化物における電子捕獲に関する基礎的な諸問題に取り組み、実験グループとの共同研究を通して得られた結果を応用問題へと適用することである。初年度であるH22年度は方法論開発における重要な進展があり、いくつかの共同研究も行った。 1.手法の開発 i)酸化物界面の「焼き鈍し」における電荷平衡ポテンシャルをSiO_2,HfO_2およびZrO_2のモデルナノ結晶系に適用し、その妥当性を確認した。ii)圧縮されたナノ粉末中におけるMgOナノ結晶間界面の原子モデルを開発した。iii)密度汎関数法における自己相互作用を補正するためのCON法を実装し、MgO,HfO_2およびZrO_2への正孔の捕獲モデルへ適用した。 2.酸化物表面における電子-正孔捕獲 i)酸化物表面における欠陥とそこに吸着した金属原子との間の動的な電荷移動を理論的に記述した。この電荷移動が、表面科学に関連した複雑な非平衡拡散プロセスを引き起こしうることが明かになった。ii)理論計算によって、表面電子状態の観点から、圧縮されたMgOナノ粉末のスペクトル測定に対する説明を与えた。iii)絶縁体におけるレーザー刺激電界脱離に対する初めての理論モデルを開発し、実験結果の理解を進めた。iv)CON法を用いて、単斜晶系のHfO_2やZnO_2の低指数面におけるポーラロン的正孔捕獲や拡散を予測した。 3.酸化物界面における電子-正孔捕獲 i)HfO_2の粒界における電子-正孔捕獲特性の予測を用いて、誘電フィルムにおける漏れ電流の解釈を行った。ii)粒界の原子構造や電子状態に対する理論モデルを構築し、MgO双結晶に対するEELS測定の結果を説明した。
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Research Products
(13 results)