2011 Fiscal Year Annual Research Report
地震以外の"揺れ"を使って地球内部構造の時間変化を探る
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22740289
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西田 究 東京大学, 地震研究所, 助教 (10345176)
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Keywords | 地震波速度構造 / 地震波干渉法 / 表面波 |
Research Abstract |
手法開発:励起源の空間分布の時間変化の影響を補正する. 前年度開発した励起源の空間分布推定の手法を用い、速度構造の見積もりにどの程度影響を与えるのかを評価した.ある領域での平均構造を推定する場合には、励起源の空間分布の時間変化は陽には効かないことを示した。 日本列島下の速度構造のモニタリング 2011年東北地方太平洋沖地震を機に,フランスの研究グループと共同研究を開始した(J-RAPID,2011年東北地方太平洋沖地震による東日本地域の地殻構造の地震波速度変化と地殻変動)。予備的なF-netデータの解析により、地震に伴って表面波の速度が低下していることを検出した。観測された低下量は、強震動による表層付近のダメージよるS波の速度低下で説明できることが分かった。 日本列島下の異方性変化のモニタリング 2011年東北地方太平洋沖地震によるテクトニックな応力状態変化を反映した、S波速度異方性構造の時間変化検出を試みた。手法としてはS波スプリッティングの解析を用い、福島付近の領域に注目した。スプリッティングの測定には地殻内の地震を用いた。その結果、本震直後に異方性が強くなり、4/11の福島で発生した地震時に異方性が弱まることが明らかとなった。異方性は領域内の平均的な応力場を反映していると考えられ、地震(本震、4/11の余震)によって引き起こされた応力変化とも調和的な結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、MeSO-netデータを解析する予定であったが、2011年東北地方太平洋沖地震が発生したため、研究すべきデータを東北地方のものへと変更した。解析自体は当初の計画にそって進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は、速度構造の時間変化のみにターゲットを絞っていたが、異方性の時間変化の研究も有望であることが分かってきたため、あわせて解析を進めることとした。
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Research Products
(6 results)