2010 Fiscal Year Annual Research Report
GPS受信機網を利用した電離圏擾乱のスケール間結合と衛星測位への影響に関する研究
Project/Area Number |
22740326
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
津川 卓也 独立行政法人情報通信研究機構, 電磁波計測研究センター・宇宙環境計測グループ, 主任研究員 (20377782)
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Keywords | 電離圏 / GPS / 全電子数 / 伝播性電離圏擾乱 / プラズマバブル / シンチレーション / ロック損失 / ROTI |
Research Abstract |
(1)国内外のGPS受信機データ収集、及び全電子数データベースの構築 国内外で一般に公開されているGPSデータサーバーから、GPSデータ(RINEXファイル)を取得し、全電子数データベースを構築した。また、日本上空においては、1997年から現在までの全電子数、電離圏擾乱指数(ROTI)、ロック損失率の2次元マップを算出し、データベース化を行った。これまで一般に知られていなかったGPS受信機網について調査し、東南アジア域や豪州を中心に複数の受信機網データを収集してデータベース化した他、現在も継続して調査中である。これらのデータベースは、インターネットを用いて一般に公開し始めているが、より利用者が使いやすいよう、さらにインターフェース部分を改善していく予定である。 (2)全電子数データを利用したTIDの統計的特徴の解明 (1)で作成したデータベースのうち、沖縄(0100局)の14年分のデータを利用してGPSロック損失率(LOL)の統計解析を行った。その結果、5分当りのLOL率は、春と秋の夜間に大きくなることがわかった。ROTIとの比較から、このLOL率増大は、中緯度域まで発達した東西方向に数100km、南北方向に数1000kmの空間スケールを持つプラズマバブルが、数100mスケールの電離圏擾乱を内包していた結果と考えられる。太陽活動度が高い2000-2002年は特にLOL率が大きく、2001年秋と2002年春では、3日に1日の割合で、LOL率が30%以上になることがわかった。今後、太陽活動が極大に近づくに従い、特に緯度が低い地域では、プラズマバブルに伴ってGPSロック損失が発生すると考えられる。
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Research Products
(7 results)